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傑作とは確信しつつも心配だったのは、シリアスになりすぎていないかな?ということ。しかし聴いたら、むしろ「笑顔のアルバム」だった。1曲目の“SHINE ON”から堂々とロックンロールを鳴らしていて、こっちも高笑い。“ソナタの暗闇”“ラプソディ”などのタイトルや歌詞にちりばめられた音楽にまつわる言葉からは、彼らの大切なものが伝わってきてニッコリ。あ、“ラプソディ”のおっぱ……ではなく《オパ》連呼など、ユーモアもたっぷり。そしてラストは、泣き腫らした真っ赤な目で笑いながら歌いたい“復活の日”だ。また一枚を通して、久々に参加したサポート三国義貴のキーボードも含め「音を出している人の顔が見えすぎる!」とにんまりしてしまう。(『smile』というタイトルはあったものの)「笑顔」って、過去の彼らと比較したら意外かもしれないけれど、今の彼らや私たち、この国や世界、いろいろな状況を踏まえると必然的に感じるのだ。ストレートな歌詞や新鮮な音楽的アプローチに踏み込んでも自然体な、決定的名盤。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年7月号より抜粋)
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