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収録された“愛の花”から“ざらめ”までのシングル/配信曲6タイトルを見返せば、ここ2年は連続テレビ小説『らんまん』主題歌に始まり、映画『窓ぎわのトットちゃん』主題歌にカルピス®CMソングなど、あいみょんの楽曲がこれまで以上にあらゆる層の日常に流れ寄り添うポピュラリティを獲得していった期間だったことがわかる。そのことを象徴するように、曲調や切り口こそ多岐にわたるものの、いずれも大切な人への想いや愛といった普遍的テーマと一人称で向き合い伝える曲がほとんど。その中で、ウーリッツァーピアノのコロッとした音色が可愛らしい表題曲“猫にジェラシー”やSundayカミデのコーラスを交えややノスタルジックな日常風景を描く“駅前喫茶ポプラ”といった新曲たちでの彼女の視点は、もう一歩パーソナルに焦点を絞り込んでいる。サウンドデザインはシンプルかつ軽やかで、遊び心も忘れない。名実ともにポップシーンの中心に在りながらも気負いのない音が示すのは、しなやかな強さだった。猫みたいな。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年10月号より抜粋)
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