インディ時代のアルバムとメジャー3作から、その名のとおりヒット曲がこれでもかと並ぶフォール・アウト・ボーイのベスト盤。“今夜はビート・イット”のカバーも含む代表曲が勢ぞろいで、新曲とレア曲まで付いたファン思いの1枚だ(PVを集めたDVD付特別盤もあり)。サイトで先行発表された新曲“アルファ・ドッグ”は、『フォリ・ア・ドゥ』のリリース前にデモが聴けた曲で、こうして新録のフル・バージョンを出してくれたのは嬉しい。
これだけまとめて聴くと、フォール・アウト・ボーイが結成からの8年で生み出してきたメロディと歌詞のずば抜けた“忘れがたさ”に圧倒される。そしてそのひとつひとつが、世界中のキッズの心を動かし、慰めや励ましとなって、音楽の力を信じるビリーヴァーズを増やしてきたのだと思うと、タイトルやジャケットも心憎いまでに完璧で、ちょっとセンチメンタルな気分になる。これからバンドが長い休みに入りそうな気配もあるのでなおさらだ。過去に決着をつけるでもなく、未来に向けた宣言をするでもなく、今こうして共有しているものへの心からの感謝を示す。ベスト盤にはそんな役割もあるのだ。(網田有紀子)