それはやはり、The Birthdayのように一つのテーマを掘り下げていくバンドにしか描けない世界があるからだ。今回の“ディグゼロ”は重いギターリフを軸に据えながら、断片的なフレーズを積み重ねる楽曲。「サイレンの音」「ゼロの先へ」といったフレーズを通して、彼らは廃墟のごとき風景イメージを可視化していく。それらは人を励ましたり、泣かしたりはしないが、一つ一つのイメージの精緻さ、周到さは聴く者を戦慄させるだろう。
音楽はどこまで行けるか。今回の楽曲で歌われるように「ゼロの先」まで行けるのか。そんな関心を抱くリスナーにとって、今のThe Birthdayの音楽は「最前線からの報告書」である。(神谷弘一)