最近、CSで放送されている海外ドラマ『ワン・トゥリー・ヒル』にかなりはまっている。田舎版『OC』とでもいうか、高校生たちだけでなく、その親たちも巻き込んだエゲツないドラマが毎週展開され、そのぷちインモラルなハイスクール・ライフにほのかな憧れを抱いてこそこそ観ているわけだが(主人公の女の子がゲット・アップ・キッズのTシャツを着てたりするなんちゃってエモっ子っていうのもナイス)、そんなドラマの主題歌としてデビュー作の“アイ・ドント・ウォント・トゥ・ビー”が使われ、大ブレイクを果たしたのがギャヴィン・デグロウ。サビはカントリーっぽいわりに、曲調は至ってソウルフルなこの曲は、バークリー音大に通っていたのが納得できる、彼の音楽的語彙の高さが端的に表現された力作だ。
5年ぶりとなる2作目では、より具体的に彼の才能を堪能できる。ロック色が若干強くなっているが、前作同様にR&Bやカントリーなど広大なアメリカ大陸で生まれたあらゆるポピュラー音楽を、ニューヨーク育ちならではのセンスで、上品にミクスチャー。耳に優しい高品質なポップスを聴かせてくれる。(内田亮)