現実のうねりから沸き上がる希望

Superfly『愛をくらえ』
2011年10月12日発売
SINGLE
Superfly 愛をくらえ
“Alright!!”や“Beep!!”級にハイテンションな響きを持つ曲名にひるんだ隙に、重くうねるパンチがじっくりとボディをえぐる。3rdアルバム『Mind Travel』で、従来の強さの中からオーガニックな温度感を引き出すことに成功したSuperflyの新曲は、グランジ以降のUSヘヴィ・ロックを思わせる重厚なグルーヴが、愛の言葉を力強く練り上げるミドル・チューン。「点」や「線」ではなく「面」で押し込んでくる圧迫感は、かつてない重さとそれゆえのリアリティを感じさせるが、かといって暗くも絶望的にもならず、むしろ希望を感じさせるのが今のSuperflyの強さである。それは歌い手としての越智志帆が、楽曲を正面から「攻略」するのではなく、楽曲の中へと自身を深く沁み込ませ一体となって前に進むことで獲得したフレキシブルな強さだ。曲前半で《今日も冷たい風が吹くだろう》と歌われる悲観的なフレーズが、ラストには《明日の優しい風に願いを》という希望へと変わる。いや変わるのではなく、楽曲とともにうねりながら「前進=ロール」してゆく。ロックンロールは、ねじれた現実を糧に進み続ける。(井上智公)
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