ここからはオトナの時間

ビーチ・ハウス『ブルーム』
2012年05月15日発売
ALBUM
ビーチ・ハウス ブルーム
夜の帳が降りたあとに咲く花。想像力の羽を羽ばたかせる10の歌。淡い夏の日の記憶のような甘酸っぱくドリーミーなソフト・ロック~ロウファイ・サイケ・ポップ。前作が『NME』の年間ベスト・アルバムの1枚に選ばれるなど話題になった米ボルチモアの男女デュオの2年ぶり4作目だ。いわゆるドリーム・ポップがすっかり市民権を得た今、彼らの存在は本作で改めて注目されるだろう。

過去2年間にフジ・ロックを含む世界中をツアーしてまわった経験や、そこで得たアイディアが本作に反映されているという。確かに音色・アレンジ・リズム・コード進行・音響デザインまで、前作よりもはるかに幅を広げ、多彩に、カラフルになったことが手に取るようにわかる。前作は一種の生成の良さというか、決して装飾過剰にならず、吹き抜ける
風に髪をそよがせる少女のような清冽さに魅力があったと思うが、本作ではそこに深みと奥行きのあるメランコリズムが色濃く影を落とし、成熟したオトナの色気といったものが
漂う。楽曲の盛り上げ方もアルバムの構成もドラマティックに、コマーシャルになっているので、前作以上に支持層を広げるはず。(小野島大)
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