過去2年間にフジ・ロックを含む世界中をツアーしてまわった経験や、そこで得たアイディアが本作に反映されているという。確かに音色・アレンジ・リズム・コード進行・音響デザインまで、前作よりもはるかに幅を広げ、多彩に、カラフルになったことが手に取るようにわかる。前作は一種の生成の良さというか、決して装飾過剰にならず、吹き抜ける
風に髪をそよがせる少女のような清冽さに魅力があったと思うが、本作ではそこに深みと奥行きのあるメランコリズムが色濃く影を落とし、成熟したオトナの色気といったものが
漂う。楽曲の盛り上げ方もアルバムの構成もドラマティックに、コマーシャルになっているので、前作以上に支持層を広げるはず。(小野島大)