近作ではメンバーがそれぞれに作詞、作曲を担当することで、音楽集団としてのクリエイティヴ能力の高さを示してきたSEKAI NO OWARI。最新シングル『眠り姫』は、メジャーデビュー以降では初めて、深瀬慧(Vo・G)が作詞・作曲ともに手がけた。まず、表題曲“眠り姫”は《冒険》《火を吹くドラゴン》《勇者の剣》《まだ見ぬ宝》というおとぎ話のようなキーワードをちりばめた、きらっきらのポップス。まるで優しく絵本を読み聞かせてもらうような感覚が心地好い。一方、“生物学的幻想曲”は、過去作で言えば “死の魔法”や“不死鳥”に象徴される「永遠でないもの」、その延長にある「連鎖する命」がテーマ。聴き手に無数のクエスチョンマークを投げかけ、刹那的なリズムの上で狂騒のファンタジアが鳴る。どこか現実離れした寓話の中に徹底した「終わり」の残酷さを忍ばせる深瀬の壮大な思想、それはいつも不気味なほどにセカオワの音楽に根付いている。しかもそれを至高のポップミュージックとして具現化する力がこのバンドにはある。今、その力がますます底上げされている脅威を久々の「深瀬曲」に見た。(秦理絵)