ついに完成した決定的名曲

サカナクション『ミュージック』
2013年01月23日発売
SINGLE
サカナクション ミュージック
1月から放映されるTVドラマの主題歌で、2曲入り500円のワンコイン・シングル。3月末からのツアーの先行予約シリアル・ナンバーも封入される。つまり彼らの場合リリースものは単なる新曲発表というだけではなく、タイアップや販促戦略など二重三重にさまざまな意図が付随してくる。山口一郎自身が常々言うように「戦略すら表現」であるなら、これもまた際どい計算のもとにでき上がった楽曲ということかもしれない。
 
が、それにしてもこの楽曲のクオリティの高さと、歌詞に込められた透徹した情熱は、あまりにも感動的だ。音楽をやる意味。歌うということ。言葉と音を紡ぎだしていく意義。痛みや傷や疲れや嘘に慣れた僕、だらしなくて弱い僕だって、いやそんな僕だからこそ歌いつづけるのだとするこの曲は、彼らによる音楽殉死宣言だ。戦略や際どい仕掛けやトリックを身にまといながらも、自らの歌うたいとしての原点を決して忘れない。これは彼らにとって決定的な代表作になるだろう。奇妙なタイトルがつけられたカプリングの楽曲で、まるでトム・ヨークのように息も絶え絶えになって歌う山口も、このうえなくチャーミングだ。(小野島大)
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