半世紀後も「ネタは新鮮(ロウ・ライク・スシ)」な理由

ネナ・チェリー『ブランク・プロジェクト』
2014年03月12日発売
ALBUM
ネナ・チェリー ブランク・プロジェクト
ポスト・パンク時代にはリップ・リグ&パニックやニュー・エイジ・ステッパーズに参加し、ティム・シムノンがプロデュースした88年のソロ・デビュー曲〝バッファロー・スタンス〟の大ヒットでも知られるネナ・チェリー。近年はサーカスという家族バンドでトリップホップをやったり、一昨年はマッツ・グスタフソンを擁するザ・シングとの共演盤(必聴)を出すなど興味深い活動を続けてきたが、18年ぶりとなるソロ名義の新作は、なんとフォー・テットによるプロデュースだ。バック・バンドにはロケットナンバーナインが起用され、エレクトロニックでありながら肉体性を併せ持ったトラックは超クール。ネナの歌もばっちりとハマっていて、その声の瑞々しさには驚かずにはいられない。

ポスト・パンク、ヒップホップ、トリップホップ、先鋭ジャズなど時代と音は変わっても、それらを常に自らのものとして歌えるのは、彼女の中に揺るぎなきパンク精神が固い芯として通っており(※あと、今回ヴォーカリゼーションにオノ・ヨーコからの影響があると今さら気づいた)、その感性に引き寄せて音を選んでいるからなのだろう。(鈴木喜之)
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