オワリカラは胡散臭いロックバンドである。「胡散臭い」バンドということではなく、「胡散臭いロック」をやるバンドということだ。世間一般の美意識や価値観に一石を投じ、大風呂敷を広げては人々を煙にまき、真意…
どうにも感慨深いソロ・デビュー作である。2010年に解散したスーパーグラスのギャズによるもので、ザ・ホットラッツという課外活動はあったものの、スパグラ時代を通じても本格的なプライヴェート・プロジェク…
04年、カー・ラジオから流れてきた彼らのファースト・アルバム収録曲を初めて聴いたとき、時系列の感覚が一瞬おかしくなった。ぼくが子どもだったころ(70年代)、ちょっと背伸びして、20代のお兄さんたちの少し憂…
20周年を迎えるミスチルのベスト盤。01年にリリースされた通称『骨』『肉』と同様に、リリース年順に2枚に分かれて楽曲が収録されている。その後半、05年以降を収めたマクロ盤は、時期的には桜井がap bank fesを開…
一昨年のファースト・アルバム『クレイジー・フォー・ユー』の時点で、ビタースウィート度全開だった。気っぷのいいヴォーカルは、かっこよくてかわいい。がしゃがしゃしたガレージ・ロック・アレンジやリヴァーブ…
たとえば《そう何度でも 何度でも/君は生まれ変わって行ける》というエールに与えた“蘇生”という壮大な記号。たとえば“タガタメ”で描いた《この世界に潜む 怒りや悲しみに/あと何度出会うだろう それを許…
ウー本人の形容によれば「マイブラとグリズリー・ベアとトム・ヨークのハイブリッド」ということになるのだが、M3"99ステアーズ"やM9"ウォーターホール"に顕著な、金 属の破断面で神経を研磨するようなディスト…
ディープな清志郎ファンも納得のカバーアルバムである。ソングライティングに焦点を当てたというだけあって、まずは選曲が素晴らしい。“エンジェル”(斉藤和義)や“RAZOR SHARP・キレル奴”(吉井和哉)、“世…
結成15周年。3年ぶりの6作目はレーベルも新たにドミノ傘下の新興Ribbonから。メンバーのエリック・コープランド曰く本作は「手作り感」があって「パンク・バンドっぽい」。つまりプログラミングは控えめにライヴ・…
2月にシングルを2週連続でリリースしたチャットモンチー。突っ走って当然と言わんばかりに、ここでまた超攻撃型シングルをリリースする。 声を張り上げ、ブルースハープを吹きまくり、ギターをジャキジャキ弾き…
通算10作目となるペニーワイズの新作は、まさにバンドの新章を宣言する記念碑的アルバムだ。結成から20年以上経った09年、ヴォーカルのジムが脱退を発表するという危機を乗り越え、バンドは新メンバーのゾリを迎え…
何度聴いても、心が震えて、冷静に向き合うことができない。そんぐらい、『伝わってくる』傑作だ。ヴォーカルテイクを録り直すことになり、約2ヶ月の延期を経て届いたandymoriの4thアルバム『光』。待っていてよか…
SiMの爆音は、とても贅沢だ。リズムやスピードを変幻自在に操り、残響や空白も絶妙なスパイスとし、無数のエモーションを豊かに香らせる。今作を聴いて、耳が涎を垂らして大喜び! 旨味たっぷりのサウンドだらけ…
4月に『SonarSound Tokyo』に出演する形で来日を果たしたスクエアプッシャー。前作はバンド・プロジェクトという形式だったが、トム・ジェンキンソンの音楽的背景を考え れば決して意外な作風ではなかった。個人的…
3月の来日ライヴでは、結局マリリン・マンソンはどの日も新曲を披露しなかった。ライヴはベスト・ヒットな選曲でガンガンに盛り上がったが、以前より体には贅肉がついていたし、まだ本人の新しいモードが定まって…
ソロ活動10周年を迎え、5月6日には東京ドームでのライヴを控えたYUKI、そのメモリアル・イヤーの第1弾シングル。ぐんぐんと青空が広がっていくようなメロディと畳み掛けるように紡がれていく言葉、そしてタイトル…
3年前の傑作『イグノア・ジ・イグノラント』を残してジョニー・マーは去ってしまったけど、それをバネにして、しっかりと次のステージに上がるたくましいところを聴かせるジャーマン兄弟によるザ・クリブスの新作…
本人にとっても夢のようなレコーディングだったのでは? タスカムの4トラ・レコーダーをこよなく愛し、歩くレコード辞典とでも言うべき造詣の深さを誇るM・ウォード。新作は世界8ヶ所を巡りながら、総計18人の…
20周年記念ミニアルバム『タンデムダンディ 20』とベスト盤『GOODDEST』(ともに09年)を挟みつつも、オリジナル・アルバムとしては『俺たちは真心だ!』から実に約3年半ぶりとなる今作。勇壮なストリングス響く“…
すごく冷静に言ってしまえば、変わるべき時期にふさわしいアルバムが届けられた。母ケイト・マッギャリグルの死、レナード・コーエンの娘が代理母となった娘ヴィヴァの誕生といったプライヴェート面はもちろんだが…
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