the GazettE、1年以上にわたるツアーを締めくくる横浜アリーナと、ROCK IN JAPAN FESTIVALへの意気込みとは?

the GazettE、1年以上にわたるツアーを締めくくる横浜アリーナと、ROCK IN JAPAN FESTIVALへの意気込みとは?

今回のツアーは小さいハコをまわるところも含めて、自分たちがやってきた環境をすべて網羅できました


――ニューアルバムの『NINTH』のリリースツアーは、フェーズを明確に分けたツアーでしたよね。これは、ツアーをやる以前から決めていたんですか?

RUKI もう、最初から決まっていましたね。

――じゃあ、最初のフェーズはホールをまわって、次のフェーズはライブハウスをまわって、っていうことも決まっていたんですか?

戒 (前作の)『DOGMA』の時から、いろんな環境でやってみようっていう話はあったんですよ。ただ、なかなか実現できなかったんですけど、今回のツアーは小さいハコをまわるところも含めて、自分たちがやってきた環境をすべて網羅できましたね。

RUKI 『NINTH』のコンセプトが、今までの自分たちを反映したいっていうところだったので、ライブのハコも、今までやってきた場所を網羅したっていう。

戒 アルバムを出したうえで、それぐらいまわると、自分たちの中で消化しきれるというか。

――このツアーをやってみて、より『NINTH』が見えてきたところもあるんじゃないんですか?

RUKI 『NINTH』は、かなりライブを想定して作ったので、そこと差はなかったかな。ツアーのスタートダッシュもよかったんですよね。『DOGMA』は、想定とは真逆の反応だったので(苦笑)。それをもとの位置に戻していくまでに、だいぶ時間がかかりましたから。

――アルバムの世界観とオーディエンスをひとつにしていくために時間がかかった、というか。

RUKI そうですね。ちょっと引き気味にさせてしまったので(笑)。自分たちとしては、攻めのアルバムだと思っていたんですけど、ライブが葬式のような感じになったんですよね。

麗 ライブがはじまる前の雰囲気作りも裏目に出たね(笑)。

戒 そう、構えるような雰囲気にしちゃったのかなって。

――そういう世界観が魅力のアルバムだった気がするんですけど……。

RUKI やり過ぎた、っていう(笑)。

――まあ、『NINTH』はthe GazettEとしてはストレートなアルバムだったから。ファンの方もライブをイメージしやすくて、待ってました感があったのかな、と思います。

RUKI うん。

――まず、2018年7月にはじまった、「the GazettE Live Tour18 THE NINTH / PHASE ♯01-PHENOMENON-」というホールツアーは、どういう感触だったんですか?

RUKI さっきも言ったんですけど、ホールツアーのスタートダッシュがよくって。ホールだからって、そういう感じのノリにもならなかったですね。

――ああ、ホールって、オーディエンスが「観る」姿勢になりがちですけど、そうではなく、ぐいぐい『NINTH』の世界観に入ってきたというか。

RUKI っていう印象でしたね。

――そして、11月からはじまった「the GazettE Live Tour18 THE NINTH / PHASE ♯02-ENHANCEMENT-」というZEPPなどの大きめのライブハウスツアーは、いかがでしたか?

RUKI より、『NINTH』の曲の伸びしろを感じたというか。わりと、ホールツアーでは固定したものをやって、次のフェーズで見せ方を変えて、さらに『NINTH』の世界観が広がっていった感じですね。

――じゃあ、演出なども変えていったんですか?

RUKI これがですね、どっちかっていうと、ホールでやっている照明のセットはあったんですが、それ以上にやりましたね。

――ほう! 普通に考えれば、ホールのほうが照明は豪勢になりそうですが、どうしてそうなったんでしょうか?

RUKI もともと後ろにLEDが付いていたんですけど、かたどられているマークのみだったんです。でも、ライブハウスでは全面になっていたので。だから、普通はライブハウスに持っていかないような数の機材になっていましたね。っていうのも、その照明でできるのは、大きめのライブハウスのツアーで終わってしまうので、そこである程度は土台を作っておきたかったっていう。小さいハコや海外ツアーだと、想定できなくなるので。

――ホールツアーの充実感もあって、大きめのライブハウスツアーは、追求できるところはとことん追求しておこうってなったっていうか。

RUKI はい。

――照明はすごいし、ライブハウスだし、かなり暑かったんじゃないんですか?

RUKI いや……。

麗 その後の海外ツアーが暑かったから、振り返ると日本はいい環境だったと思えます。

RUKI 冷房があるもんね。海外はないところもあるので。

――でも、次の「LIVE TOUR18-19 THE NINTH PHASE ♯03 激情は獰猛」は、冬でしたけど、小バコのライブハウスですよ。いろんな意味でアツいですよね。

RUKI そうですね。結成当時にやっていた場所もありました。

――(目黒)鹿鳴館とか、何年振りですか?

RUKI 鹿鳴館は、初めて横浜アリーナに立った時に、一緒にやったんです。(高田馬場)AREAも。

――実際の現場はどんな感じだったんですか? やっぱりカオスですか?

RUKI いや、そういう近い距離のライブハウスだと、逆に暴れるよりも観るなって。

麗 AREAとか、昔やっていた頃のほうがカオスでしたよ。久しぶりにやったら、あれ?って。

RUKI それこそ『DOGMA』の初日みたいな。

麗 びっくりしました。

RUKI お互い様なんですけどね。こっちも、こんなに近くてどうしていいかわからないっていう。

――なるほどね。ほぼ素舞台のようなところでやるのも、今は新鮮なんじゃないんですか?

麗 バンドとしては鍛えられますね。身ひとつで見せなきゃいけないので。

海外では、ノリに左右されて趣旨がわからなくなることがあるんですけど、わりと今回は全うできましたね。


――そして、4月からは海外ツアー「WORLD TOUR19 THE NINTH PHASE ♯04 -99.999-」という。海外ツアーはいつぶりでしたか?

RUKI 3年ぶりですね。『DOGMA』で行っているので。

――北米、南米、ヨーロッパ、ロシア、アジアと隈なくまわってらっしゃいましたけど、どうでしたか?

RUKI 前は、行ったことがないところが多くて、北米とかは初めて行ったので、実感とまでは行かず、ここでやってるんだ、っていう感じだったんですけど、今回は得るものを得て帰りたいと思っていましたね。

――特に印象深かった土地はありますか?

麗 パリですね。(海外ツアーの序盤の)アメリカとかは、しっかりやれていたんですけど、ヨーロッパのタームになって、ロンドンがあって、パリだったんですけど、すごく暑くて。

戒 ロンドンは暑くなかったんだよね。

麗 そう、パリから衝撃的な暑さでした。

戒 日本でも感じたことがなかったですね。空調がない環境なので。

麗 空気の厚い層があるっていう。楽屋から出ると、モワンってなるんです。なんだこれ!?って。湿気がひどくて、1曲目から髪もヘニョヘニョ(笑)。こんな中で、RUKIはよく歌えるなって思いました。

――RUKIさん、どうなんですか?

RUKI パリ……いや、暑かった記憶があまりない。

戒 いや、なかなかすごかったよ。パリとミュンヘンは。

RUKI ああ、ミュンヘンは死にそうになりました。

麗 リハから暑かったです。お客さんも倒れていましたよ。

――お客さんのリアクションで印象的だった土地はありましたか?

戒 ロンドンは、12年ぶりくらいに行ったんです。久々なので大丈夫かな?って思っていたんですけど、むしろ前回よりもお客さんが入ってくれて。『NINTH』の力もあると思うんですけど、すごく印象に残っています。嬉しい誤算でした。

――海外ならではのセットリストは考えたんですか?

RUKI 最初は、『NINTH』を基盤にしつつ、そういう(海外らしい)方向性で行こうと思ったんですけど、だんだん日本と変わらない感じになりましたね。想定外だったのが“DOGMA”も入れていたんですけど、それが盛り上がったっていう。だから、日本とは違うらしいです(笑)。速いのよりミドルテンポが好きなのかもしれない。

――過酷なところもありつつ、収穫も多い海外ツアーだったようですね。

RUKI そうですね、『NINTH』を届けに行くという意味でも。海外では、ノリに左右されて趣旨がわからなくなることがあるんですけど、わりと今回は全うできましたね。

――『NINTH』のリリースツアーとして、国内外が地続きだったというか。

RUKI そうですね。ただ、そう考えると、海外でも演出も含めた『NINTH』のツアーを見せたかったな、とは思います。特殊なセットが多いので、必要最低限しか持っていけなかったんですよね。

戒 だから(『the GazettE LIVE TOUR18-19 THE NINTH TOUR FINAL「第九」』の)横浜アリーナに、世界中から来てほしいんですよ。物理的に難しい距離だとはわかるんですけど、海外でやればやるほど、日本でのライブを観て欲しいなって思います。

――それぞれのライブが、それぞれの完成形ではあるけれど、やっぱり日本での集大成を観てほしいというか。

戒 日本の環境ですよね。横浜アリーナも、あまりツアーファイナルと意識せず、場所を最大限に活かして、今やれるベストを尽くすっていう考え方なので。見せるものとしても規模のデカいものになるはずですし、そういう場所になってほしいですね。

――ちなみに、今後の海外展開については、どう考えていますか?

RUKI 求められるうちは行きたいですね。行っていない国もあるので、なるべく多くの人に届けたいと思います。

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