今年2月にリリースしたコンセプトEP『REVERSi』は、Da-iCEがバンドサウンドのアグレッシブさやスウィングを求めて作り上げ、ダンスボーカルグループとしての新たな可能性を見出した作品であった。その作品を引っ提げての「Da-iCE TWO MAN LIVE TOUR 2022 -REVERSi-」にもバンドセットで臨み、強力な対バンアーティストとともに熱いライブを各地で繰り広げたところだ。このインタビューは、その2マンツアーを終え、いよいよアリーナツアーに突入する直前に行われたもの。「INSIDE THE FIRST TAKE supported by ahamo」での“Promise”のパフォーマンスも公開され、さらには最新シングル『イマ』もリリースされた中、今の彼らの勢い、ライブや音楽へのモチベーションを捉えるべく、メンバー全員に、このところの活動について、また新曲への展望について、たっぷり語ってもらった。
インタビュー＝杉浦美恵 撮影＝You Ishii
（『REVERSi』は）ライブ活動をしていく中で「こういう曲が必要だった」っていうのを、メンバーが作ってくれたEPでもある（岩岡）
──『REVERSi』が出て、作品への手応えがそのまま2マンライブツアーの勢いにもつながったと思うのですが、改めて『REVERSi』は、Da-iCEにとってどんな作品になったと感じていますか？大野雄大（Vo・Performer） 実はまだライブで披露していない曲もあって、そういう意味ではまだまだ楽しみが詰まったアルバムだと思っています。
岩岡徹（Performer） ライブ活動をしていく中で「こういう曲が必要だった」っていうのを、メンバーが作ってくれたEPでもあると思います。なので、ライブをやって初めて見えてくることもあったし、今は作品の良さを改めて実感していますね。
和田颯（Performer） ダンスボーカルグループらしからぬ曲たちが集まったなというのはありつつも、2マンツアーでやればやるほど、今のDa-iCEにしっくりくる楽曲たちだなあって感じていました。
──2マンツアーは、Da-iCEもバンドセットで臨んで、各地で激アツな対バンが組まれていたわけですけど、どんな場面が記憶に残っていますか？
工藤大輝（Performer） 2マンツアーは、対バンのアーティストがみんなジャンルがバラバラで、全部楽しかったですね。誰がというより、対バンを通しての戦いへの挑み方がみんな違うので、そういうのが見えて刺激になりました。THE ORAL CIGARETTESが（Da-iCEの）“BACK TO BACK”をやってくれたり、エビ中（私立恵比寿中学）も1曲目に“I’ll be here”をやったり（※以前、ラジオ番組で工藤はこの楽曲を推していた）、僕らのファンが入りやすいところを意図的に持ってきてたり、いい意味で僕らのファンを取り込もうとしているのがわかって。対バン相手はお互い仲いいけど、ライブになったら相手のファンを取りに行くっていうか、僕らもそのつもりでパフォーマンスしてましたし、そうやってやり合うこと自体が、全部楽しかったです。
──今回はバンド編成で挑む対バンライブというところもあって、バチバチ感もありつつ、純粋にそれを楽しむという気持ちも大きかったのでは？
工藤 そうですね。今回はバンマスがGakushi（Key）さんで、Gakushiさんは90年代のR&Bサウンドにとにかく詳しくて。僕ら、楽曲のアレンジはバンマスによって結構変わるんですけど、今回の僕らのセットリスト的には、このバンドサウンドがすごく掛け算になったというか。音色的にも、いわゆる90年代のニュージャックスウィングとかR&Bが合うような曲調で、それをロックに昇華している感じで、僕らのブレーンや他アーティストのメンバーからも、「Da-iCEのアレンジ、すごいよかったよね」って言ってもらえたんですよね。“Revolver”のアレンジもそうだったけど、ああいうのってダンスボーカルとバンドサウンドの掛け合わせでしか生まれないアレンジだと思うので、それはすごい発見でした。
音が生きているから、それに引っ張られてパフォーマンスも歯止めが効かなくなる。もう終わったあとはヘトヘトっていうくらい（和田）
──和田さんは、生のバンドサウンドでのパフォーマンスはどうですか？和田 全部がプラスになりますよね。音が生きているから、それに引っ張られてパフォーマンスも歯止めが効かなくなる感があって、すごかったです。もう終わったあとはヘトヘトっていうくらい、毎公演やり切れてました。
岩岡 ライブ中にちょいちょい見るんですけど、バンドチームがやっぱりかっこいいんですよ。その姿もすごく印象深かったですね。
──マインド的にもとてもいい状態で次のアリーナツアーに入っていける（※取材時はアリーナツアーのスタート前）と思うんですが、各地ソールドアウトっていうことで、ファンからの期待の高さもうかがえますね。
花村想太（Vo・Performer） 去年は前編・後編と分けて、それぞれ全然違うセットリストで、みんな体を壊すくらいの勢いでやって、そのあとわいわいと全国各地を細かくまわるファンクラブライブがあって、さらに2マンライブで攻撃力を増して。それらを経てのアリーナツアーなので、かなりパワーアップしているはず。自分たちの限界に挑戦して得たものとか戦いで得たもの、みんなでわいわいしながら得たものたちをがっちゃんこさせて、これぞDa-iCEというものを見せつけたいです。
大野 2マンツアーがちょうど終わったばかりで、すぐアリーナツアーが始まるので、熱量的には冷め切ってない、燃え続けている状態でアリーナに挑めるんですよね。アリーナにいちばんいい状態で挑めるように、いろいろ勉強してインプットして、ここまでやってきたので。だから逆に、アリーナツアーが終わった時に、もう一歩、その先を見据えられるような自信を身につけたいです。ドームにもまた一歩近づけたと確信が持てるような、そんなツアーになったらいいですね。
和田 まだリハーサルも何も進んでないんですけど、絶対楽しくなる自信があるんですよね。
岩岡 僕もそう。でも今回のツアーは1ヶ月足らずでまわりきっちゃうんですよね。公演数も少ないので一公演一公演、大事にしながら集中してやりたいです。
工藤 2マンツアー含め、2022年の上半期にやったことを全部出し切ってみたら、どういう景色が見えるのか。その答え合わせのライブになると思いますね。
──そして、「INSIDE THE FIRST TAKE supported by ahamo」で“Promise”をパフォーマンスしたのも、最近の大きなトピックでした。素晴らしい歌唱でしたね。今回は、初めて観客を入れての公開収録だったということもあって、画面越しにも緊張感が伝わってきましたが、実際、どうでした？
大野 いや、まったく緊張感っていうのはなくて。
全員 （笑）。
花村 めちゃめちゃ顔、緊張してたよ、我々（笑）。
大野 10歳くらい老けてましたね。それで言うと、前に国歌独唱した時も老けてたでしょ？ 緊張すると人って老けるんだね（笑）。
──ドラマチックで壮大なアレンジの原曲とはまた違う、鍵盤とバイオリンのみをバックに歌うというのも、緊張感が高まりますよね。
大野 あと頭にサビをもってきたのは“CITRUS”の時と同様で、それはやっぱり、早い段階に見せ場を持ってきたほうが最後まで聴いてもらえるんじゃないかっていう狙いだったんですけど、何しろ緊張しましたねえ。会場にいたお客さんも、アーティストのパフォーマンス中は、動いたり音を出したりっていうリアクションはできるだけしないでくださいって伝えられてたみたいで。ただでさえ緊張感が漂う中、2,000人近くの人たちがシーンとしていて、一発録りだから失敗は許されないし、そりゃあもう半端ない緊張感でした（笑）。
──そこで頭サビの第一声を花村さんが。
花村 はい。マジでめちゃくちゃ緊張しましたね。歌う直前、緊張してると何か喉に詰まった感じになるんですよ。この詰まってる状態のまま歌い出さないといけないっていうので。ほんと、このまま歌い出していいものかと迷うくらいだったんですけど、もういくしかねえやって（笑）。
