TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - Perfume/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015Perfume/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
新木場若洲公園にて、3年目の開催となったTOKYO METOROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(以下METROCK)。2日連続開催のうちの初日=5月23日には 総勢16組のアーティストが集結した。以下、その模様を駆け足でレポート!

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - [Alexandros]/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015[Alexandros]/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - 恋する円盤/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015恋する円盤/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - THE ORAL CIGARETTES/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015THE ORAL CIGARETTES/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
巨大風車のそびえるメインステージ=WINDMILL FIELDのステージに最初に立ったのは[Alexandros]。ミディアムテンポでエレキギターを鳴らす川上洋平(Vo・G)の歌声が“Starrrrrrr”のメロディに乗ってどこまでも伸びていく。広がる青空、満場の観客という絶好のロケーションに何度も「気持ちいい!」と口にするメンバー。6月リリースの新作『ALXD』から“Famous Day”も披露し、トップバッターを謳歌するかのような堂々たるアクトを見せた。新星アーティストが集まるNEW BEAT SQUAREにて恋する円盤が甘酸っぱいポップチューンを届けている頃、SEASIDE PARKにはTHE ORAL CIGARETTESが登場。「初めてオーラル観る人?」の問いに挙手した人も少なくはなかったが、“大魔王参上”から“起死回生STORY”まで、バイオグラフィを辿る「キラーチューン祭り」で会場の熱を高める様子にはアウェイ感一切なし。「ここにいるみんな、アーティストも音楽が好きだと思います。それだけを大切にここで共有しましょう」とラストチューン“エイミー”は、ひとりひとりと指切りで約束を交わすかのように大切に鳴らされた。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - チャットモンチー/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015チャットモンチー/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - SPiCYSOL/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015SPiCYSOL/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - SHISHAMO/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015SHISHAMO/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
「2人になりましたが強力なサポートメンバーがいて。パワーアップして『スーパーサイヤ人4』って感じです」と語るWINDMILL FIELD 2番手のチャットモンチーは、男陣(恒岡章、下村亮介)+乙女団(世武裕子、北野愛子)をサポートに迎え曲ごとに編成を変えていく。最新作『共鳴』から、橋本絵莉子と福岡晃子がサングラス姿でラップに臨んだ“ぜんぶカン”も印象的だったが、「2人になった時に作った」という“ドライブ”での2人→6人と編成が変化する演出はバンドのドラマが表れていて感動的だった。NEW BEAT SQUAREではSPiCYSOLが持ち前のサーフミュージックで一足早く夏を運び、SEASIDE PARKではSHISHAMOがライヴをスタート。キュートな3人の見た目とは裏腹にソリッドなアンサンブル。現在全国ワンマンツアーの真っ最中である3人のサウンドは、さらにブラッシュアップされてきているのだろう。宮崎朝子(G・Vo)の透明感溢れる歌声が海風に運ばれていく。観客がタオルを回す“タオル”、“君と夏フェス”と、夏フェスの先頭を切るMETROCKにお似合いな曲を演奏しつつも、“さよならの季節”でじんわり余韻を残すラストがニクい。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - androp/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015androp/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - ピエール中野(凛として時雨)/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015ピエール中野(凛として時雨)/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - 高橋優/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015高橋優/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
3年連続出演のandrop、今年は初のWINDMILL FIELDへ。精密かつ逞しいサウンド、「メトロックひとつになろうぜ!」と内澤崇仁(Vo・G)が舵を取りながら大合唱を巻き起こしていく光景——1曲目“One”にて早くもハイライトを生み出す様子は圧巻の一言だ。《やっぱり僕はメトロックが好きだ》と歌詞を替えた“MirrorDance”、三ツ矢サイダーCM曲“Yeah!Yeah!Yeah!”などを演奏。陽光が輝くなか、スクリーンに大映しになったメンバーの表情も晴れやかだった。DJピエール中野によって無法地帯と化したのは大盛況のNEW BEAT SQUARE。そしてSEASIDE PARKでは高橋優がロックサイドを強調した選曲で魅せる。しのぎを削り合うバンドサウンドを背に「『高橋優ってこんな叫ぶかんじなの?』と思ってる人もいるかもしれないけどぜひお見知り置きいただきたい。高橋優はこういう人なんだー!」と声を奮わせる姿には最高に男前だ。デビュー5周年イヤーを飾る新曲“明日はきっといい日になる”も披露。全編秋田弁の“泣ぐ子はいねが”では「メトロポリタン」「ナポリタン」「参鶏湯」などのコール&レスポンスで会場を沸かせた。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - くるり/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015くるり/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - 和楽器バンド/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015和楽器バンド/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - グッドモーニングアメリカ/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015グッドモーニングアメリカ/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
続くWINDMILL FIELDのくるりは岸田繁(Vo・G)、佐藤征史(B・Vo)にサポートを加え4ピースバンド編成(ファンファンは現在産休中)。日が落ち始めた時間帯、ポカンと広がる空に溶ける“ワンダーフォーゲル”が心地よい。観客も緩やかに揺れたり、ステージをじっと見つめていたり、各々のスタイルで聴き入る。そしてセットリスト終盤に向かうにつれて、情感剥き出しになるアンサンブル、何かが憑依したような岸田の叫び——まるで映画を1本観終わったように濃密な後味が残った。NEW BEAT SQUAREにて和楽器バンドが艶やかなサウンドで昂揚感を誘う一方、SEASIDE PARKには「ダンソン!」しながらたなしん(B・Cho)登場、グッドモーニングアメリカがスタンバイ。天へ駆けるサウンドの爽快さも、自分の深部と向き合い続ける歌のエグみも、ライヴを重ねるたびに増すばかりだ。シングルのリリースや夏の対バンツアー、11月の日本武道館公演に向けて「全部成功したいと思っています。そしたらもっとデカいステージに行けると思うので」と金廣真悟(Vo・G)。飛躍の年の所信表明として“イチ、ニッ、サンでジャンプ”を鳴らしきった。

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - マキシマム ザ ホルモン/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015/Photo by 浜野カズシマキシマム ザ ホルモン/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015/Photo by 浜野カズシ
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - indigo la End/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015indigo la End/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2015(1日目)@新木場若洲公園 - TK from 凛として時雨/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015TK from 凛として時雨/©Tokyo Metropolitan Rock Festival 2015
ナヲ(ドラムと女声と姉)の妊活に伴い今月でライヴ活動を一時休止するマキシマム ザ ホルモンのライヴをめがけてたくさんの人々が押しかけたWINDMILL FIELDは、1曲目“What's up, people?!”から見渡す限りヘドバンの海と化す。さらに“「F」”冒頭では「私の戦闘力は53万です」とフリーザの声が入る演出も。ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)がタクシーで会場入りしたエピソードなどを話したMCはユルくとも、いざ演奏が始まればタイトな轟音で地面を揺さぶる。圧倒的クオリティのアクトに、終始アガりっぱなしのWINDMILL FIELDだった。すっかり日も暮れ、NEW BEAT SQUAREのラストを彩ったのはindigo la End。紺色の空を頭上に豊潤なアンサンブルを繰り広げ、至福の時間が流れたのだった。そしてSEASIDE PARKトリのTK from 凛として時雨も、夜の野外というシチュエーションを完璧に味方につけたライヴを見せる。凛として時雨のセルフカバー“Shandy”も含みつつ、ソロ活動のディスコグラフィを網羅した選曲。鋭利な刃物のような冷たさと、祈りのような感触とがないまぜになったハイトーンボイスは、ビビッドな照明や、激流のように展開するバンドアンサンブルとのコンビネーションも抜群である。19時過ぎの暗がりのなかでそのサウンドを聴いていると一音一音がダイレクトに刺さってくるような、一対一で向かい合っているような感覚に陥った。

さて、WINDMILL FIELDにてこの日を締めくくるのは、3年連続出演のPerfume。グローバルに活躍する彼女たち、この日が日本での今年初ライヴだという。最新シングルからの“Relax In The City”“Pick Me Up”、フェスで 演るのは珍しい“SEVENTH HEAVEN”、レーザーの特効もあった“レーザービーム”などで魅せつつ、前日に出演した『ミュージックステーション』でのエピソードを語ったMCや、ポルノグラフィティ“ミュージック・アワー”を用いた「P.T.A.のコーナー」など観客とのコミュニケーションも欠かさない。さらに“MY COLOR”で大団円を迎えたあとのアンコール、“チョコレイト・ディスコ”ではマキシマム ザ ホルモン・ナヲが乱入! この日ならではのコラボ=4人のPerfumeによってMETROCK 2015の1日目が締め括られたのだった。(蜂須賀ちなみ)
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