そしてメンバーがステージに登場し、GENのクリアな歌声が伸びるとそのまま“Buster call”で幕を開けた! フロアの熱量は一瞬で沸点に達し、そこにガソリンの如く注がれるのは RYU-TA(G・Cho)の絶妙な煽りと、心拍数をあげるように高速で叩き出される“Chicken race”のKOUHEI (Dr・Cho)のドラミングだ。さらに、「みんな『CAVU』を予習してきたのでしょうか? 本当にしっかり聴いてきた?……じゃあ、『CAVU』に入ってない曲やりまーす」なんてGENのフェイントから始まった“Remember”もファンの興奮を煽る起爆剤となった。そして「懐かしい曲をやります」との言葉に始まった“Lost my way”、HIROKAZ(G)のギターソロが冴えわたる“imaginary”や、『CAVU』収録曲“me?”を続々と披露し、休む隙を与えないスピードでハイテンションチューンを繰り出していった。
メジャーデビューを果たし、次のリリースも控え、周りに支えられながら音楽に集中して生きていける日々を送っているという彼らは順風満帆に見えるが、「こんなに幸せな日々はいつまで続くのでしょうか」とGENがふと呟いた。冒頭の問いの解釈になるが、彼らの音楽に冷静さや切なさを感じたのは、そこに「終わり」が見え隠れするからだろう。今が楽しければそれでいい、それは一理ある。結局のところ、生きているという実感を最も得られるのは今、この瞬間しかないからだ。しかし、「この幸福な状況がいつまで続くか分からない」という不安を少しでも抱いていた方が、なおさら今を楽しめるのではないだろうか。とはいえ、そうはいっても不安ばかりが募っては意味がない。そこの絶妙なバランスをとる音楽こそが、04 Limited Sazabysの音楽だ。「音楽は弱い者の味方であってほしい」という信念を語ったGENの言葉の通り、力強く引っ張っていくというよりは、弱った時に隣にいて大事な時に背中を押してあげられる存在でいることが、彼らの音楽の理想の在り方なのだろう。そんな彼らの「もっと大きなところでみんなに恩を返したい」との感謝と展望の想いが込められた “Terminal”に胸を打たれながらも、「俺らの一番かっこいい曲を」と掻き鳴らされた“monolith”で、日々負けずに生きていくエネルギーをしっかりと受け取った。