SCANDAL@日本武道館

SCANDAL@日本武道館
神戸ワールド記念ホール(12/9)、名古屋・日本ガイシホール(12/23)、そして年明けの日本武道館2デイズ(1/12・13)という4公演で繰り広げられてきた、SCANDAL初のアリーナツアー「PERFECT WORLD」。国内はもとより欧州、アジア、アメリカ大陸各地にまでロックを届けた『HELLO WORLD』のツアーの続編、と位置付けられたステージである。また、3月2日リリースのニューアルバム『YELLOW』や、今夏の結成10周年を見据えたライヴでもあるということで、何と言うか、ツアーファイナルなのに次の展開を期待させてやまない、そんな武道館2日目になった。

SCANDAL@日本武道館
SCANDAL@日本武道館
ミニマルなテクノの客入れSEが鳴り響いていたところに、大歓声を巻き起こしてHARUNA(Vo・G)、MAMI(G・Vo)、TOMOMI(B・Vo)、RINA(Dr・Vo)の不動の4人が登場。さっと楽器を手に取ると、一刻も早くロックしたい、と言わんばかりの迅速さで“Image”が繰り出す。破顔一笑、HARUNAの「ブドウカーン!!」というシャウトに対する場内のレスポンスの鋭さも上々だ。“瞬間センチメンタル”に“DOLL”と歴代シングルを浴びせかける疾走感の中、オーディエンスは腕やタオルやフラッグを思い思いに振り回していた。TOMOMIはぴょんぴょんと飛び跳ねながらのプレイが実に楽しそうで、RINAの細い腕からは思いも寄らないような力強いフィルインも打ち込まれる。

SCANDAL@日本武道館
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けたたましい音玉が弾けて飛び込む“EVERYBODY SAY YEAH!”が一斉ジャンプを巻き起こすと、MAMIがギターを掻き毟りながら歌詞をまくしたてる“STANDARD”へ。ゴリゴリと硬派なロックを鳴らすほどにキュートさが増す、これこそSCANDALならではのスタンダード感である。HARUNAはここであらためて歓迎の気持ちを伝え、「Tシャツの人! メガネの人! 黒髪の人! 新成人の人!! おめでとーっ!!」と賑々しいコール&レスポンスを巻き起こす。そして「一緒に、PERFECT WORLDという作品を作ってみませんか?」と呼びかけるのだった。

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“Sisters”のカップリング曲だった“LIFE IS A JOURNEY”は、この曲を手掛けたTOMOMIが愛らしい節回しで歌い上げる。“少女S”ではRINAの強烈なドラムソロにMAMIのワウギター、そしてTOMOMIのスラップショットと、見事な演奏スキルが次々に注ぎ込まれていた。RINAも前線に躍り出てギターを手に歌う“おやすみ”の音響美、さらには、RINAのオリエンタルなキーボードフレーズ×HARUNAが操るカオスパッドのエフェクトによる“Kill the virgin”といったふうに、変幻自在のフォーメーションで魅せるダンサブルな展開も最高だ。

SCANDAL@日本武道館
MCの一幕では、HARUNAが今年は自動車の運転免許を取得したい、と2016年の抱負を告げたのを皮切りに、TOMOMIは「トモにも出来るからな」と祖母から伝わる梅干し作りに挑むことを伝える。古着のパジャマにはまっているというRINAは、メンバーに見せたくて朝起きたままのパジャマ姿で武道館入りしたことを告白。一方のMAMIは、年末のCOUNTDOWN JAPAN 15/16出演時にメンバー全員のデニムをダメージ加工したことなども語りながら、「ギタリスト兼衣装みたいな」とDIY服飾に意欲を燃やしていた。「MAMIが作ったパジャマ着たーい!」とオチをつけたのは、もちろんRINAである。

SCANDAL@日本武道館
あえてオーディエンスを座席に着かせたまま“Winter story”がじっくりと届けられたのち、来る新作『YELLOW』から披露されたのは、映画『猫なんかよんでもこない。』の主題歌“Morning sun”だ。昇る朝日のエネルギーを宿したような、暖かく力強いロックナンバー。そして“Your song”や“SCANDAL BABY”のヒートアップでがっつりと歌声をオーディエンスに委ねると、触れる者を鼓舞するように立ち上がる“Sisters”で色とりどりのテープキャノンが降り注いでいた。本編を堂々締め括る1曲は、海外ツアーのドキュメンタリー映画主題歌となった“ちいさなほのお”。4人の鮮やかな音の交錯に、ストリングスの同期までが加わって壮麗で気高いクライマックスを描き出していた。

SCANDAL@日本武道館
ところが、これだけでは済まなかった。アンコールもとにかく演奏しよう、という前のめりな姿勢で、TOMOMIが歌う“love in action”から巨大な肯定性を振りまく“Stamp!”と立て続けにプレイする。HARUNAは「10年前は、このメンバーでいるなんて思ってなかったし、こんなたくさんの人の前でやるなんて思ってなかったです」と語り、4月からスタートする全国ツアーや「SCANDAL 10th ANNIVERSARY FESTIVAL 『2006-2016』」についてもあらためて告知すると、爆発的にファンキーな新曲“SUKI-SUKI”まで繰り出してしまう。“太陽スキャンダラス”で、10周年へと向かう最新のSCANDALを見せつけるための2時間半は、大団円を迎えて未来へと踏み出すのだった。(小池宏和)

●セットリスト

01. Image
02. 瞬間センチメンタル
03. DOLL
04. EVERYBODY SAY YEAH!
05. STANDARD
06. お願いナビゲーション
07. 本を読む
08. LIFE IS A JOURNEY
09. 少女S
10. 会わないつもりの、元気でね
11. おやすみ
12. Kill the virgin
13. Winter story
14. Morning sun
15. Departure
16. 夜明けの流星群
17. Your song
18. SCANDAL BABY
19. Sisters
20. ちいさなほのお
(encore)
21. love in action
22. Stamp!
23. SUKI-SUKI
24. 太陽スキャンダラス
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