続いて”エイジ オブ イノセンス”。戸高賢史(G)の美しいギターリフからの熱いコードストロークに、客席前方では早くも激しいモッシュが起こる。この2曲を終えたところで「ただいま」と、木下理樹(Vo・G)がポツリとつぶやく。「今日はギフトのような気持ちで皆さんに曲をお届けしますので、ケガのないように……」なんて言いながら、”real love/slow dawn”のキレ味鋭いカッティングが切り裂くように響けば、もう会場のうねりは止められない。
中盤、「皆さんのおかげでまたここに戻ってくることができ、非常にありがたいです。ここから(の曲)は皆さんが選んでくれたダークゾーンに……入ります」と語った木下に、すかさず「次、そんな暗い曲じゃないよね?」と戸高のツッコミが入る。今回、2人のやりとりが非常に面白くて、久しぶりに一緒にステージに立つことを楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。構わず続ける木下。「引きこもりのための……まさに今ニコ生で観てる人のための曲です。踊るといいと思うよ」と繰り出されたのは、ファンキーなダンスナンバー”クロエ”。さらにとても印象的だったのは「けっこう久しぶりにやる曲です。こういう疎外感っていうか、今でもそんな気持ちを抱いて生きている人が多いんじゃないかな。喉がちぎれるくらい叫ぶと思うので、みんなシンガロングしてください」と言って始まった”I hate myself”。言葉通り、すべての感情が剥き出しで吐き出されるような声が、こちらの胸にズキズキと突き刺さる。傷や痛みに直接触れてくるような、痛みを知るから初めて癒されるような、これこそまさにART-SCHOOLの音。
アンコールでは新曲の披露が嬉しかった。1曲は、木下理樹名義で過去にリリースされた曲がART-SCHOOLの新曲として蘇り、さらにもう1曲、打ち込み音と4つ打ちのキックが印象的なART-SCHOOL流のエモーショナルなダンスロックが披露され、対照的な2曲に、5月にリリースされるというアルバムへの期待も高まる。アンコールラストは「相変わらずギターを弾くことしか取り柄がないですが、全力で弾かせていただきます」と戸高が語り、”スカーレット”。「全力」という言葉に偽りのない、腕がちぎれても構わないとでもいうかのような演奏に息をのむ。
●セットリスト
01. 14 souls
02. エイジ オブ イノセンス
03. real love/slow dawn
04. 夜の子供たち
05. Promised Land
06. LITTLE HELL IN BOY
07. サッドマシーン
08. ウィノナライダー アンドロイド
09. レモン
10. BUTTERFLY KISS
11. クロエ
12. LOVERS
13. カノン
14. 左ききのキキ
15. DIVA
16. イノセント
17. I hate myself
18. その指で
19. BOY MEETS GIRL
20. ロリータ キルズ ミー
21. UNDER MY SKIN
22. FADE TO BLACK
(encore 1)
23. 新曲
24. 新曲
25. あと10秒で
26. スカーレット
(encore 2)
27. ニーナの為に
28. 斜陽