星野楽器の創業100周年イベント『百年の鼓動』 @ Zepp NAGOYA

すいません、タイトル嘘です。トップページの右上に出てる見出しも嘘です。嘘っていうか、正確ではありません。つい勢いで書いてしまいました、あんまり楽しかったもんで。正しく、事実に基づいて書くと、以下のようになります。

5月23日(金)と24日(土)、Zepp NAGOYAで行われた、星野楽器の創業100周年イベント『百年の鼓動』の2日目、24日。アンコールで、元ユニコーン5名のうち3名、奥田民生・川西幸一・阿部義晴が同じステージに立ち、ユニコーンの曲4曲と奥田民生の曲1曲、計5曲を演奏した。

星野楽器というのは、バンド小僧御用達の、ドラムTAMAとギター&ベースのIbanezを作っている会社。名古屋の会社です。この2日目は、TAMAのモニターを長年務めている名ドラマー、シータカさんこと古田たかしと川西幸一の2人が中心になったイベントで、どちらかがプレイしているアーティストが色々出ると。ジェット機/大橋卓弥/奥田民生/PUFFYの出演が事前に発表されており、「民生と川西……これはもしかしたらもしかするかも」と思って、名古屋まで行くことにしたわけです。

トップ。川西幸一の現在の本職、ジェット機。宮田和弥、現在ジュンスカ絶賛復活中ながら、こちらも本気であることを見せつけるテンションみなぎりまくりなステージ。1曲ごとにフロアに挙がる腕が増えていくさまには「さすがだなあ」と思いました。
続いてスキマスイッチ大橋卓弥、ソロで登場。今年はソロやります、というのは知られているが、そのソロ用にバンドDRUNK MONKEYS(ジャッキー・チェンの出世作『ドランクモンキー酔拳』からとったのか?)を結成、今日が初ライブだったそうです。ドラムが古田たかし。ちなみに鍵盤は民生バンドの斉藤有太。もうひとつちなみに、ベースは100sの山口寛雄だった。スキマスイッチと自然につながっているけどちゃんとどっか違う、「ブルース」「ポップ」「フォーク」が三位一体となった感じの歌たち。ソロを始めた頃の桑田佳祐をちょっと思い出す、いいライブでした。

続いて民生、「ひとり股旅」仕様で登場。ただし作務衣と冷蔵庫とバーボンとグラスはなし、頭のタオルはあり。“恋のかけら”“フロンティアのパイオニア”“今から海を”“CUSTOM”“さすらい”の5曲を悠々と歌い、大ウケ。弾き語り観たの久しぶりだ、そういえば。

PUFFYは川西がドラム。1曲目を“働く男”で始めるとこが偉い。途中から古田たかしも登場、ツイン・ドラムで“アジアの純真”“渚にまつわるエトセトラ”“Tokyo I’m On My Way”“オリエンタル・ダイヤモンド”を連発、死ぬほど盛り上げてくれて本編終了。最後の曲は、銅鑼でOTも参加しておられました。

で。アンコール。まず主役のシータカさん&川西さんが出てきて、「あっすいません、ここ邪魔ですか」などと、慌しく働きまくる転換スタッフに気を遣いつつ、トーク。セッティングが終わって、ジェット機のアッキン&野田がギター&ベースで登場。民生も登場。そして、なんと阿部義晴が登場!どよめくフロア。おお。さあ歌え今歌えユニコーンの歌を、という満場の期待を一身に受けたOT、ギターを持たずスタスタ後方へ歩いていく。川西のドラムセットに座る。カウントを取り始める。演奏、スタート。

曲はユニコーン時代に川西が作詞・作曲とヴォーカルを手がけた“ロック幸せ”。シータカさんと二人でデュエットでした。続いて二人がドラム、民生が歌で“ヒゲとボイン”。おおーっ。もう面白いように盛り上がるフロア。続いてさらに、阿部がマイクを持って前に出てきて、ユニコーンを代表する超絶意味なしハードコア・チューン“CSA”。ファンはご存知のように、この曲は当時のユニコーンの事務所の住所を叫びまくるだけというものなんですが、続いて「社歌にするってことなんで」と、詞を星野楽器の住所に変えた“HOSHINO”を2回演奏。最後は大橋卓弥と斉藤有太も加わって、民生のデビュー・シングル“愛のために”を堂々とプレイ。にしても、どの曲も、ツインドラムがすさまじいせいか、民生のギターがユニコーン当時から比べると飛躍的にものすごいものになっているせいか、アッキン&野田が実は達者なせいか、阿部Bのまったく年齢を感じさせないスリムさと華やかなプレイのせいか、あるいはその全部のせいなのか、なんだかやたらと演奏がいい。大満足。名古屋まで来てよかった。

そういえばこの曲、CDでは川西幸一がドラムを叩き、ライブでは古田たかしが叩いてたんだった。というかそもそも、川西幸一がユニコーンを脱退した後の、バンド最後のツアーの穴を埋めたのが古田たかしで、その縁で民生がソロになっても10年間民生の後ろで叩き続けたんだった。逆に、長年PUFFYのバックでもドラムを叩いてきた古田たかしが、去年の夏にスケジュールの都合か何かで叩けなくなった時、代わりに叩くことになったのが川西幸一だった。

不思議な縁なんだなあ、この二人、とか思っていたら、最後にもう一発、宮田和弥とPUFFYも加わって、ダブル・アンコール。曲はユニコーンのライブでの定番だった“スターな男”でした。ひねりのない感想で申し訳ないが、ホールを出て最初に思ったのは、「観れた人、ラッキーだったなあ」でした。すいません自分たちだけ。(兵庫慎司)
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