THE BAWDIES @ 渋谷クラブクアトロ

THE BAWDIES @ 渋谷クラブクアトロ - pic by Rie Nakakawaharapic by Rie Nakakawahara
4月に発売されたメジャー1stアルバム『THIS IS MY STORY』を携えての全国ツアーのファイナル公演。こんなに愉快、痛快なロックンロールを、どこまでも爽快な笑顔で鳴らすバンド、THE BAWDIESのほかに知らない、と断言できるくらいメンバー4人が掛け値なしにライブ空間を楽しんでいる。そして、それがオーディエンスにちゃんと伝わっていて、前列から後方までほとんどの人が手を掲げて思い思いの楽しみ方で踊り狂っている。「音楽を心から楽しむ」ということを全力で伝えてくれるライブだ。

本日の公演はソールド・アウト。すし詰め状態のフロアには老若男女問わずのお客さん。真っ暗な会場にミラーボールがいきなり輝く中、上下黒の細身のスーツに色違いのシャツ&ネクタイでキメたメンバーが登場。ROYがしゃがれた声で「パーティー始める準備はいいかーい!?」と煽ると、“NOBODY KNOWS MY SORROW”でライブはスタート! フロアから手拍子が沸き起これば、「もっと手を高く挙げられますかー?」とROYが言い放ち、オーディエンスも両手を高く掲げて負けじと応戦!

JIMは長い髪を振り乱しながら、いきなり前方でギターを楽しそうに弾いているし、MARCYはドカドカと荒々しく、だけど繊細なスティックさばきでTHE BAWDIESの荒れ狂うソウルフルなグルーヴを生み出していく。「最高のダンスナンバーを用意したぜ!」と始まった“YOU GOTTA DANCE”も最高だ。ROYの日本人離れしたファンキーな咆哮で、ボルテージも一気に上昇していく。そして、「TAXMANと一緒に踊りたくありませんか?」というROYの煽りで、TAXMANがリードボーカルをとる“SO LONG SO LONG”へ。疾走していくリズムにTAXMANの迸るようなボーカルが乗り、勢いはどんどん加速していった。そんな熱気渦巻く空間を横揺れのロマンティックな世界へと誘ってくれたのが、とっておきのラブソング“TINY JAMES”だ。キラキラとしたギターのアルペジオとサビメロのコーラスがたまらなく可愛らしい。50〜60’sサウンドをこよなく愛するTHE BAWDIESがラブソングを奏でるとこんなにも甘い空間を作ってしまうのだ。

スーツでビシッと決めたメンバーだが、もう中盤にもなってくると汗だくだ。そんなTHE BAWDIESだが、一度だけスーツを着ないでライブをやったことがあるそう。オリンピックの年のハロウィンに、マラソンランナー(MARCY)、体操選手(ROY)、レスリング(TAXMAN)、女子シンクロ(JIM)にそれぞれ扮装して演奏したのだとか。本気でその衣装を考えて本気でこのロックンロールを鳴らしてるメンバーの姿を想像してみると、笑えて仕方がない。というか、4人とも仲が良すぎる。普通だったら誰かが反対しそうなものだけど…。そんな笑えるエピソードをMCで披露した後は、再び“KEEP ON ROCKIN’”“STOP YOU LYING”と王道ロックンロール・ナンバーを続けて繰り出し、再びフロアを濃厚なグルーヴで埋め尽くしていく。

「もし、さよならを言うことが君を喜ばすとするならば、俺に何が言える? 俺はどうすればいい? そういう悲しい歌です。でも、それを悲しく演奏してどうするんだ? 楽しく演奏してシャウトし続ければ、この先、人生楽しくいけるんじゃないですか?」こう言い放って始まった“OH! MY DARLIN’”を聴きながら、THE BAWDIESの本質はこういうことなんだと理解した。つまり、彼らが音楽を通して伝えたいのは「感情」ではなくて、本気で音楽とぶつかっていこうとする「魂」だということ。彼らがルーツミュージックに出会った時の鮮烈な衝撃を、そのままオーディエンスに伝えようとしているのだ。音楽の素晴らしさ、喜び、楽しさ――簡単そうに見えるけど、そういうことを全身で表現できるのは、THE BAWDIESが本気で音楽とぶつかっているからなのだ。ひたすらルーツミュージックを突き詰めて、その結果、何をやってもブレないサウンドを手に入れたTHE BAWDIES。彼らなりのセックス・ピストルズを表現した“PRETTY VACANT”のカバーも、やはり、どこをとってもTHE BAWDIESでしかないと言えるサウンドだったのだ。

「今日はパーティー。パーティー=祭り。祭り=花火じゃないですか!? 心の花火です。それ打ち上げましょう! みんなで仲良く踊ったら勝手に打ち上っちゃうんじゃないですかー!」とROYが煽りに煽って、“I’M IN LOVE WITH YOU”でフロアは忽ちステップを踏んで踊り出す人続出! そして、極めつけの“EMOTION POTION”へと雪崩れ込み、ミラーボールが高速で回る下、狂乱の渦へと巻き込んでいった。

アンコールでは、10月にニュー・シングルをリリースすることが発表され、この作品を携えワンマン・ツアーも決定。クアトロを満杯にさせた彼らの次のステージは恵比寿リキッドルームだ。ダブルアンコールも含めて全21曲。ラストは4人がステージ中央に並んで手を繋いで万歳で挨拶。本当にキラキラしたいい笑顔だった。全力を出し切り全身全霊で愛するロックンロールを叩きつけていったTHE BAWDIES。彼らの挑戦はまだまだこれから続いていく。(阿部英理子)

1.NOBODY KNOWS MY SORROW
2.FORGIVE ME
3.YOU GOTTA DANCE
4.SO LONG SO LONG
5.JUST PICK UP YOUR PHONE
6.IT’S A CRAZY FEELIN’
7.TINY JAMES
8.KEEP ON ROCKIN’
9.STOP YOUR LYING
10.EVERYDAYS’S A NEW DAY
11.OH! MY DARLIN’
12.BABY SUE
13.MY LITTLE JOE
14.PRETTY VACANT
15.I’M IN LOVE WITH YOU
16.EMOTION POTION
17.I BEG YOU

アンコール
18.LEAVE YOUR TROUBLES
19.Shake Your Hips

アンコール2
20.Tutti Frutti
21.WHAT’D I SAY
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on