The ピーズ @ 赤坂BLITZ

ピーズ恒例秋のツアー(通称「晩秋ツアー」)、去年は確か対バンだったが今年はワンマンで11本、その初日にあたる、1年ぶりの赤坂BLITZ。
というわけなので、曲順とかどの曲やったのかとかは明かせませんが、オープニングのことだけ書きます。
ビートルズの「ミスター・ムーンライト」をSEにして(前の日が十五夜だったからだと思う)登場するや、はる、「ライブに先立ちまして報告です。競馬、負けてしまいました!」と宣言。ついでに「今のSE、最初の『♪ミスターアー! ムーンラーイッ』って歌い出しがカットされてた! だいなしだ!」とダメ出し。そして、「競馬に負けた時はこの曲から始める」と、事前にもらっていたセットリストには入っていなかった“耳鳴り -殉職バージョン-”でライブをスタート。

以降、2時間20分弱、“殉職バージョン”と2度のアンコールを合わせて全32曲、みっちりやってくれました。
その曲数にしろ、昔懐かしい曲も、最近の曲も、まだ音源になっていない新曲も織り交ぜた曲目にしろ、最初からヘロヘロしているわりに、後半になってもバテた様子がうかがえないプレイっぷりも、初日なのに、まるで最終日みたいな密度と濃さでした。
満員のファン、ひとり残らず大満足だったと思う。

それから、サプライズ・ゲストあり。本編のラスト前の曲で、ギター・ソロを弾きながら、突然ウルフルケイスケが登場。ちゃんとテンガロンハット&ジャケット姿で、衣裳という概念のないはるに「着替えすぎ! さっきと全然違う!」とつっこまれながら、ラストの曲も一緒にプレイ。
二度目のアンコールの最終曲の前に、はるが「もう一度ケイスケに会いたいかー!」と、ウルフルズのライブでケーヤンがやっている役回りを演じてフロアをわかせた上で、再び登場。いずれもギュンギュン弾きまくって、めちゃくちゃ盛り上げてくれました。

にしても。ライブ会場とタワー限定で売っているシングルに入っている曲や、まだレコーディングしていない新曲が、どれもとてもいい。なんだかとてもメロディが強い。元々そこはとても強いバンドだけど、さらに際立っている気がする。
なお、フル・アルバムは、2005年11月に『赤羽39』を出して以来、丸4年出ていない。でも、前述のライブ会場&タワー限定シングル3枚を合わせると、全部で10曲になる。
1枚にまとめてもいいんではないでしょうか。と、ちょっと思いました。

あと、このバンドのライブ、もうずいぶん長いこと観続けているけど、いつも不思議だなあと思うのは、いつの時代も「今の音」であり続けていることだ。
バンド・ブームの頃ですらオールド・スタイルだった、パブ・ロックなんかのブリティッシュ・ビートを基本にしたサウンド・プロダクトなのに、その頃にはパンクにきこえたし、その5年後にはグランジやオルタナティヴにきこえた。今もそれは変わらなくて、しっかり2009年の音として響いている。
曲のアレンジは、特に昔と変えていない。はるやアビさんが、新しいロックをまめにチェックしているようなことは、間違ってもありえない。そこが不思議だし、そこがおもしろい。
そして、やっぱり、本当にいいロックンロール・バンドだと思う。(兵庫慎司)
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