すばらしくクリアなサウンドとクロースアップするカメラ、そしてシンプルなステージセットが相まって、スタミナ全開でバンドの腕前を見せていた。「いいかいシドニー、レッツ・ファッキン・ダンス!」とグロールが叫び”ロープ”の演奏に入りつつ、エネルギッシュにステージを駆け回る。その後2時間半にも及ぶステージの間中ずっとそのエネルギーをキープしていた。ヒットに続くヒット。“ザ・プリテンダー”, “マイ・ヒーロー”、“ラーン・トゥ・フライ”、“オーランディア”、さらには“ブレイクアウト”。グロールは巨大な花道を駆け出しミキシングテントの裏まで行ったところで叫ぶ狂うオーディエンスに向かって「ほめちぎるのはやめてくれ」とにこやかにたしなめた。「注目されるのは嫌いなんだ! 有名でいることも嫌なんだ、ほんと最悪だよ!」
グロールとシフレットが“スタックド・アクターズ”でユーモアたっぷりにギター・デュエットをやっている途中―今晩はこういったユーモラスな場面がたくさんあった――雨が軽く降り出したが誰も気にとめる様子もない。“ウォーク”、“モンキー・レンチ、”ジーズ・デイズ“、”ディス・イズ・ア・コール“などなどフー・ファイターズは留まる所を知らない。ホーキンズが“コールド・デイ・イン・ザ・サン”でリードヴォーカルをつとめ、グロールはクイーンのDVDを見てスタジアム・ロックの勉強をしていたことを話した。大ヒット曲“ベスト・オブ・ユー”を最後に演奏。これでも十分だったのにも関わらずグロールとホーキンズは「もう1曲だけやる?」(結局6曲もやることになるのだが)とバックステージからナイトヴィジョンカメラを使って観客をあおる。そしてグロールがソロでステージに戻り、高さ15フィートの台の上から“ホイールズ”をアコースティックで演奏。バンドが戻ってきたところで“タイムズ・ライク・ジーズ”、“ジェネレーター”……とやり、最後にタイムレスな名曲“エヴァーロング”で幕を下ろした。他のメンバーがステージから下りた後、最後に一人残ってオーディエンスに手を振って別れを告げるデイヴ・グロールは喜びに満ちていた。彼はまさに我らがヒーローなのだ。(Samantha Clode/ Music Editor, triple j magazine)
写真: David Youdell