スリップノット、今は誰もサウンドのクォリティーを気にしない時代だと語る

スリップノット、今は誰もサウンドのクォリティーを気にしない時代だと語る

現在ツアー中のスリップノットだが、クリス・フェーンは今時の若いバンドには条件のいいレコード契約にありつくことは難しくなっていて、その理由としてレコード会社が苦境に置かれていて、それは人々がもうサウンドのクォリティーなど気にしなくなったからだと語っている。

音楽サイトのロック・シンズの取材に応えたクリスは15年前にバンドがデビューした当時と現在を比較して次のように語っている。

「俺としてはすごく難しくなっていると思うよ、レコードのセールスやいろんなものが落ち込んじゃったせいで、新人バンドとしていい契約にありつくのはほとんど不可能に近いよね」

「今時の契約の構造っていうのは、レコード会社がなにもかも所有する形になってるんだよ」

「そのレコード会社もものすごく苦境に追い込まれてるのも悲しいよね。おかげで余裕がないんだよね……つまり、すべてインターネットが原因だってことなんだ。今じゃもう誰もサウンドのクォリティーなんてものを気にもしないし。すぐに消化されちゃうし、聴けるまでなんの労力もかかってないからね。俺だってその片棒を担いでるわけだから。車にいて今すぐほしいからってアイチューンズで買ったりするからさ。もちろん、俺のCDのコレクションは相当なものだよ。今でもCDは買うけど、でもさっていう」

「これ(自分たちが今デビューしていたらどうなっていたと思うか)はいい質問だな。でも、(今俺たちがデビューしたとしても)きっと今活動してる連中とはまるで違ったものになってただろうし、それなりに衝撃をもたらしてると思うな。でも、どうなんだろう……もし99年じゃなくて今活動を始めてたとして、やっぱり観てもらいたがると思うな」

さらに新しいバンドから影響は受けるのかという問いには次のように答えている。

「個人的にはないかな。新しいもので好きなものって今はあんまりないからね。まあ、昔ながらのメタラーだからなのかも。だから、そういうものを今も聴き続けてるんだ。たまになんか目新しいものに気づいたりもするんだけど、なんだかぴんとこないんだよな。でも、それ以外に関してはなんかつまんないよね」

「でも、どんなバンドでも俺たちみたいにレコードを出してツアーをやってそれでちゃんと食ってるバンドについては俺は評価してるんだよ。これは本当に大変なことだし、毎晩毎晩モチヴェーションを上げていくのは、特に自分のプライヴェートでなにかが起きてるかとか、バンド内でなにかが起きてるかとか、そういうもろもろのことがあると、すごくしんどいことなんだよ。でも、一音楽ファンとして言わせてもらうと、パンテラのような存在はまだ現れてないよね。ああいうバンドは出てきてないし、KORNみたいなバンドも出てきてないよね。スリップノットみたいなバンドがその後出てないわけで、俺が『すげー、超ハマったぜ、絶対ライヴ観に行こう!』って感じたようなバンドが出て来てないんだ。そんな感じをまだ俺は受けてないんだよね。でも、むやみにだめだって思ってるわけでもないんだよ。俺って自分の好きなものばっかりに気が行ってるから俺がわかってないだけだと思うし。きっといろいろ見過ごしてるんだよ。ただ、俺もいろいろほかにやりたいことがあるってことなんだ」

現在ヨーロッパ・ツアー敢行中のバンドは2月にオーストラリアのサウンドウェイヴ・フェスティヴァルに参加した後、4月から北アメリカ・ツアーに乗り出す予定になっている。
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