BUMP OF CHICKEN、1年ぶりのステージに立つ! 最新曲が4人の今を示した横アリ公演レポ

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2015年8月4日、BUMP OF CHICKENにとって約1年ぶりとなるライヴ「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015」の横浜公演が、横浜アリーナにて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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 幕開けを飾った“パレード”の、ロックの新たな扉を開け放つような鮮烈な音像。「聞こえるか! お前に会いに来たんだよ!」(藤原基央/Vo・G)、「みんなに会いたいと思ってたぜ! 音が出したくて出したくて仕方ないの!」(直井由文/B)と沸き立つエモーションのままに満場のオーディエンスに叫びかけ、BUMP OF CHICKENの「今」の充実感をパワフルに放射していく4人のヴァイタリティが、横浜アリーナを歓喜の頂へと導いていく――。

 昨年7月31日の『BUMP OF CHICKEN TOUR "WILLPOLIS 2014"』ファイナル:東京ドーム公演以来1年ぶりのライヴとして、大阪&横浜で開催されたワンマン2公演「BUMP OF CHICKEN Special Live 2015」は、今年4月22日にリリースされた最新シングル『Hello,world! / コロニー』のCD購入者を対象としたスペシャルライヴ。大阪:1万人/横浜:1万3千人に加え、横浜公演ではバンプ史上初となるライヴビューイングも実施され、全国劇場で4万7千人を動員、実に計7万人が目撃した今回のライヴ。その横浜公演=8月4日・横浜アリーナでのアクトは、この1年間に発表してきた“ファイター”“パレード”“Hello,world!”“コロニー”という4つの楽曲でさらに強度と深度を増した「ロックバンド=BUMP OF CHICKEN」の現在地をリアルに物語るものだった。

 冒頭の“パレード”からそのまま流れ込んだ“Hello,world!”が圧巻のダイナミズムをもって轟き、藤原&増川弘明(G)のWギターが満場の横浜アリーナを戦慄にも似た感激で包む。さらに、直井&升秀夫(Dr)のタイトなビートとともに“ハンマーソングと痛みの塔”を力強く奏でていく……。“morning glow”など最新アルバム『RAY』(2014年)の楽曲はもちろん、名曲“ギルド”をはじめ“太陽”“embrace”“乗車権”といった『ユグドラシル』(2004年)の楽曲、“ハンマーソングと痛みの塔”“才悩人応援歌”など『orbital period』(2007年)からの選曲が、最新楽曲群とともに本編の主軸を成していたのが印象的だった。《生活は平凡です 平凡でも困難です》(“才悩人応援歌”)、《強く望む事が 欲しいと望んだよ/夢の先なんて 見たくもないから》(“乗車権”)……バンプの楽曲の中でもひときわシリアスな内省と問題意識を、シニカル&寓話的な物語に封じ込めたフレーズが、途方もないスケール感と包容力をもって響き渡り、“ファイター”の《涙超えた言葉が/その鼓動から届き勇気になる》といった強烈なロマンに満ちた歌と渾然一体となって、切実な闘志と多幸感が渦巻く至上のライヴ空間を描き出していく。エレクトロ/EDM/ボーカロイドといった音楽的なトライアルを重ねた『RAY』の季節を経て、そのトライアルの成果すら自身のロックの一部として血肉化し、さらなる極限進化を遂げてきたことが、一連の最新曲のサウンドからもはっきり伝わってくる。

 そんな空気感が、ライヴの曲間MCでは一転。藤原&増川弘明(G)越しにオーディエンスの写真を撮影した直井がTwitterに投稿する間、MCを任された増川が「みんなのパワーをいっぱいもらって、僕ら楽しくやらせてもらってます。ありがとうございます。升も喜んでます!」と語りかけて大歓声を巻き起こしたり、観客から飛んだ「カッコいい!」の声に「君たちも相当カッコいいよ!」と藤原が気さくに返したり、“虹を待つ人”の会場一丸の合唱パートを練習する場面で藤原がヴォーカルを増川に振って、「恥ずかしい!」と照れる増川を「歌の練習って言ったじゃん? ここから向こう(客席)だけの話だと思ったら大間違いだよ!(笑)」と藤原が鼓舞しつつ、横浜アリーナを割れんばかりのシンガロングの光景へと塗り替えていったり……といった場面の数々が、ステージと観客との距離感を無効化してみせる。1万人以上を動員したワンマンライヴの巨大な規模感と、結成から実に20年以上同じ時間を過ごしてきた4人のパートナーシップと、自身の楽曲とアンサンブルをアップデートしながら今この時代に新たなロック像を打ち立てようとする冒険心&使命感が、まるっきり矛盾なくイコールで結ばれている――というBUMP OF CHICKEN独特の在り方を、この日の瞬間のひとつひとつが歴然と物語っている。

 バンド史を代表するマスターピース“天体観測”をセットから外し、終盤を“supernova”“ガラスのブルース”“ray”という展開で飾って熱いシンガロングを巻き起こしていた今回のライヴ。《僕の世界は 君があって動いてる》(“supernova”)、《ガラスの眼をした君に唄うよ》(“ガラスのブルース”)と歌詞をアレンジして絶唱する藤原に熱い歓声が湧き起こっていたし、バンプ新機軸の代名詞的楽曲だった“ray”が新たなアンセムとして横浜アリーナに晴れやかな歌声を呼び起こしていた。

 アンコールでは、最新シングルから“コロニー”を披露。アコギを奏でる藤原の凛とした歌声が、澄みきったサウンドスケープとともに福音の如く鳴り渡り、横浜アリーナの空間を濃密な感動で包んでいく。「我々いつも、アンコールに何をやるかって事前に決めてないんですけど、今回だけは……新曲だから本編でやる予定だったんだけど、気づいたら漏れちゃってて(笑)。『ありがたくもアンコールをいただいたとしたら、必ず“コロニー”をやろう』って決めてたんです」と藤原は話していたが、たった1曲でも雄大な世界観を構築する“コロニー”の真価が、アンコールの冒頭に配置されたことでかえって明快に証明された形となった。

 「なんかね……すごい感動しちゃって。さっきもあんな歌声聴かしてもらったし、みたいなことを話し始めると、感情的になって止まらなくなっちゃうんですよ。だから、歌って逃げるように、脱兎の如く歌って――」と照れくさそうに藤原が語った後、この日のラストナンバー“メーデー”の勇壮なサウンドと歌声が響いて……最高の一夜が終了。「バイバイ! またね。おやすみ。大好き!」と呼びかける藤原の言葉に、惜しみない歓声と喝采がいつまでも続いていた。そして、BUMP OF CHICKENは8月8日、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015に、GRASS STAGEのトリとして出演!(高橋智樹)

●セットリスト

01.パレード
02.Hello,world!
03.ハンマーソングと痛みの塔
04.才悩人応援歌
05.morning glow
06.ファイター
07.太陽
08.ギルド
09.ハルジオン
10.embrace
11.虹を待つ人
12.乗車権
13.supernova
14.ガラスのブルース
15.ray

(Encore)
16.コロニー
17.メーデー

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