パティ・スミス、36年ぶりに弟トッド・スミスの遺品と再会

パティ・スミス、36年ぶりに弟トッド・スミスの遺品と再会

パティ・スミスは36年前に盗難に遭った服や弟の形見などに思いがけなく再会することになった。

パティは10月11日にイリノイ州にあるドミニカン大学で今月出版された新刊『M Train』についての講演とパフォーマンスを行ったが、この会場に56歳になるファンのノリーン・ベンダーが持ち込んだのは、36年にパティが盗難で失った服の数々だったとシカゴ・トリビューン紙が伝えている。

パティは1979年にシカゴでの公演後、ツアー・バスが盗難に遭い、およそ4万ドル相当(当時のレートで約800万円)もの被害に遭うことになった。今回ノリーンが持ってきた服にはこの時盗まれた、1978年のローリング・ストーン誌の表紙をパティが飾った際にまとっていた薄い生地のブラウスや、頻繁に着用しているところを撮影されていたキース・リチャーズのTシャツ、94年に急死した弟トッドが使っていたスカーフなども含まれていて、特にトッドのスカーフについてはパティも涙を抑えられなくなっていたとあるファンは次のように報告している。

「やがて聴講者の半分近くがパティと一緒にすすり泣き始めていました。なかにはどこでどうやってどうしてこれらのものが戻ってきたのかと訝しがる声もありましたが、パティは両手でそうした声をさえぎると『それはもういいの』と声を上げ、『これらのかけがえのないものが戻ってきてくれてただもう感謝したい』と言いました」

「パティは服を撫でるのをやめられないようで、やがてスカーフを自分のポケットに押し込んで、そこから息子のアコースティック・ギターの伴奏で激しい"ビコーズ・ザ・ナイト"の演奏に入りました」

なお、今回服をパティのもとに持ってきたノリーンは服の素性について「何十年も前にシカゴでルームシェアしていた相手の男友達からもらったものだった」と語っていて、その男友達は大手引越会社のユーホールの社員だったという。

「それで『これってパティの服だし、それにまだ汗も乾いてないし』って驚いたの」

その後40年近く、なんとかして返さなければと思案していたというが、今回ようやくきちんと返せる機会をみつけられたとも説明している。
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