新海監督の1万字に及ぶロングインタビューをはじめ、前作に続き劇中の音楽を担当したRADWIMPSと新海監督との対談、またその楽曲にボーカリストとして参加している三浦透子のインタビュー、さらには主人公とヒロインの声を務めた醍醐虎汰朗と森七菜の対談も掲載され、『天気の子』に全方位から迫る大特集だ。
日本中で社会現象を巻き起こした前作『君の名は。』の公開から3年がたち、待望の最新作がどんな内容であるのか注目を集めているが、『天気の子』の物語が生み出される起点となったのは、新海監督の中でまず「描きたい主人公像」が浮かび上がったことだという。
いつも全力で、慎重さとか遠慮とか忖度とか調和みたいなものを一切気にしない主人公を描いてみたいなと思ったんです。自分の命とか、自分の気持ちを全部使い切っちゃうような、そういう少年と少女を物語の主人公にしたいなと最初に思いました
そう思うに至ったいくつかの理由のひとつには、『君の名は。』に対する世間の賛否両論を目の当たりにしたことで抱いた想いがあると率直に語られている。
ちょっともうヤケクソになったというか、こんなに叱られるんだったら、もっと叱られるようなものを作りたいと思ったんです。調和で終わる物語や、教訓めいた着地をする物語からなるべく離れた作品を作りたい、そういう気分だったんだと思います
このほか、作品のテーマが「天気」になった理由をはじめ、RADWIMPSとのコラボレーションによって受けた多大な影響や、作品に対する確固たる手応えなど、本作へ込められた想いのすべてが余すところなく語られている。特集内のほかのコンテンツとあわせて、『天気の子』が『君の名は。』をも超越する渾身の一作であることがわかる、必読の一冊だ。
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