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    【JAPAN最新号】サカナクション、《また怪獣になるんだ》──フルバージョン完成と共に巨大な共感を呼んだ、約3年ぶりの新曲”怪獣”で手にした新たな「光」について

    【JAPAN最新号】サカナクション、《また怪獣になるんだ》──フルバージョン完成と共に巨大な共感を呼んだ、約3年ぶりの新曲”怪獣”で手にした新たな「光」について
    『チ。 ―地球の運動について―』はこの世のすべてを知り、自分の目に映るものを信じたいと願う人間の物語だ。時代に、あるいは「神」にすら抗って、それでも本当を追い求める登場人物の姿は、僕らにとって決して遠い歴史上の存在でもなければ、理想のさらにその上の、雲の上にいるような存在でもない。あえて乱暴な言い方をすれば、それはときに──それこそ怪獣のように──暴走する欲望に突き動かされる僕ら自身だ。

     以前、まだ『チ。』の連載がスタートして間もない頃に、姉妹誌『CUT』で作者の魚豊氏にインタビューさせてもらったことがある。そのとき彼はこんなことを言っていた。

    「死ぬらしいけどこれがあるから生まれてきてよかったなって思えるものを探す冒険だと思うんですよ、人生って。『チ。』はその冒険に挑む人たちの話なんだと思います。否定したくないんですよ、そういうすさまじい人生を。あの人は芸術に追い詰められて死んだから敗者だとか思いたくない」

     そんな強い思いとともに描かれた『チ。』という作品が人々に受け入れられたのは必然だったと思う。キャラクターたちの眼に宿る意志のようなものは、それを見て読む僕らにとってまったく他人事ではない。そしてそれはきっと、山口一郎にとってもそうだったのだと思う。(以下、本誌記事に続く)

    文=小川智宏
    (『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より抜粋)


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