跳ねたリズムや明るいコードとは対照的に、低音域に色気と錆を滲ませた小柴タケト(Vo・G)の歌唱にまず耳を奪われる。2025年夏の「RO JACK」優勝バンド・Cloudyがその優勝特典としてリリースするのが、この“無責任な肯定を”だ。
彼らの魅力はまず潔く中央突破を図るロックサウンドであり、華美な上物やトリッキーな展開に頼ることのない無骨さは、今だからこそ眩い。同曲でもそこはしっかり発揮されており、中でもそこまでの展開とメロディを継承しながら、じわりと昇り詰めていくようなサビのメロディには唸らされた。おまけに歌詞はパンチラインだらけ。《隣人がいる故エレキに電気は無理》と憤りや野望を秘めながら、独り部屋でアンプに繋がれないエレキをかき鳴らす姿は若手バンドのリアルだし、《全員を愛すなんて正し過ぎて気味が悪い》けど《君の居場所になりたいな》と願うのは、不器用だけど偽りのない誠実さの表れだ。
おかしいと感じたことに声を上げようとしても、顔の見えない誰かに寄ってたかって「じゃあおまえがやってみろよ」なんて封殺されがちな時代。無責任と言われたっていい、君が君らしく生きていくことを肯定する。その人生を照らしてくれる。それがCloudyのロックだ。
インタビュー=有本早季 文=風間大洋 撮影=横山マサト
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年2月号より抜粋)
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