今年結成31周年を迎えていたR.E.M.が解散した。世界でも最大級の影響力を誇り、さらに最も成功したバンドのひとつとも目されてきたR.E.M.だが、9月21日にみずからのオフィシャル・サイト、REMhq.comで解散を発表した。
3人による共同宣言はこう述べている。
「ファンと友人のみなさん:R.E.M.のメンバーとして、そして生涯にわたる友人、そして共謀者として、ぼくたちはバンドをやめることをみんなで決めました。ぼくたちが達成したことすべてに対して、ぼくたちは大きな感謝と終わったんだという自覚と大きな驚きを胸にたたえながらあとにしていくことになります。ぼくたちの作ってきた音楽が心に触れたと少しでも感じてもらえた人たち全員に対して、聴いてくれてありがとうと心からの感謝を表したいと思います」
さらにメンバーそれぞれのメッセージも紹介されている。ボーカルのマイケル・スタイプは次のように述べている。
「『パーティに出席して楽しむ際の秘訣は、お暇するタイミングを間違えないことだ』という諺があるけれども、ぼくたちは一緒にこのとてつもないなにかを作り上げてきました。そして、これをやり遂げてきました。これからは、それをあとにしようと思います。ファンのみなさんにはこれが簡単な決断ではなかったことをわかっていただけると嬉しいです。けれども、どんなものも終わりを迎えなくてはならないし、ぼくたちはこれをまっとうに終わらせたかったし、自分たちにふさわしいやり方で終えたかった。これまでの31年間、ぼくたちがR.E.M.としてやっていけるように助力してくれたみなさん全員に感謝しなければなりません。これをやらせてくれたみなさんに感謝します。本当にこれまで驚きの連続でした」
ギターのピーター・バックはこう語る。「R.E.M.にいて本当に嬉しかったことのひとつは、ぼくたちが書いたレコードと曲がファンのみんなにとっても、ぼくたちとまったく同じように大切なものになっていたことでした。ぼくたちの作品がみんなにとっていいなにかをもたらすということは、ぼくたちにとってかけがえのないことだったし、それは今も変わりません。みなさんの人生の一部になれるということは信じられないような授かりものとなりました。ありがとう」。
「マイク(・ミルズ)とマイケルとビル(・ベリー)とバーティス(・ダウンズ、マネージャー)とぼくはここを親友として立ち去ることになりますが、将来また顔を合わせることになるのはもうわかっています。それはこれまでの長い間、ぼくたちについてきてくれて、支えてくれたみなさん全員ともいずれ会えることになるというのと同じことです。それはみんなの地元のレコード屋さんのアナログ盤売り場でのことになるかもしれないし、世界を変えようとしている19歳の若者たちの演奏を観ながらクラブの後ろの方で突っ立っている時のことかもしれません」
ベースのマイク・ミルズはこう締めくくっている。「前回のツアーの間もよく考えたし、今回の『コラプス・イントゥ・ナウ』の制作中も、今度のコンピ盤の編集中にも、ぼくたちは『次はなにをやるんだ?』とずっと自問自答してきました。特にこの30年の音楽と思い出を振り返るのは、とてつもないひとつの旅みたいな体験になりました。そして、ぼくたちは全員で、これらの楽曲は実は、これまでの31年というひとつの区切りの中に収まっていることに気がついたのです」。
「ぼくたちはこれまでずっとバンドという言葉をもっとも誠実に体現してきたと思います。ぼくたちはお互いのことを真実愛し合い、尊敬し合ってきました。今回のことについてもぼくたちは先駆者的存在になっているはずです。ここには意見の相違はまったくないし、喧嘩別れしたところもまるでないし、弁護士が後始末することもなにもありません。みんなでこの決断を友好的に、そして全員にとっての最善のことをお互いに慮って決めました。潮時が来たと思えたのです」
R.E.M.は1980年にジョージア州アセンズで結成され、83年の『マーマー』から今年3月の『コラプス・イントゥ・ナウ』まで15枚のオリジナル・アルバムを発表してきた。オリジナル・ドラマーのビル・ベリーは2年間脳動脈瘤と闘病した後、1997年にバンドを脱退。その後、R.E.M.ではドラムは解散まで空席のままだった。
バンドはマイクが語っているように、全キャリアを振り返るコンピレーション盤を11月にワーナーからリリースする予定になっている。
解散表明はこちらから→
http://remhq.com/news_story.php?id=1446
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