ジミー・ペイジは2007年にレッド・ツェッペリンが本格的に再結成しなかったのはロバート・プラントが忙しかったからだと説明している。
バンドは2007年に一度だけ再結成公演を行い、その内容は『祭典の日(奇跡のライヴ)』に収録されている通りだが、さらに公演を続け、世界各地で観せられなかったのはロバートのスケジュールのせいだったと『ローリング・ストーン』誌に次のように語っている。
「ぼくたちの一部はこの先も続けるものだと、そんな遠くない将来にもっとライヴをやるものだと思っていたんだ。というのも、あのライヴのために相当な労力が注がれていたからなんだ。
ロバートは忙しかったんだよね。アリソン・クラウスとのプロジェクトをやっていて。ほぼ同時期に発表されることになるとはぼくも知らなかったんだ。では、そういう状況に陥ったらどうする? ぼくは他のふたりとO2で相当な量のリハーサルをこなしてきていたんだ。しかも、ものすごくバンドとして固まってきていたんだ。ただ、弱味があるとしたら、それはぼくたちのうちの誰も歌わないということだったんだ」
ロバートは2007年10月にアリソンと共演した『レイジング・サンド』をリリースし、バンドはロバートの代わりに、様々なヴォーカリストとのレコーディングを試みたという。
「といっても、しっかりとしたレコーディングはなにも行ってないよ。小さなデジタル・レコーダーで録っていただけで。でも、いけると思ったんだよ。そのままなにもしないわけにはいかなかったんだ。でも、その度にこのユニットの弱味が持ち上がるわけだ。『どうしても歌い手が必要だ』っていうものだったんだね」とジミーは説明する。
「音は原石のような感じがあったんだ。ぼくにはどういう方向を取りそうか見えてたんだよ。いろんな人からはさっさとツアーをしちゃった方がいいとも言われたんだよね。でも、ぼくにはしっかりした、評価されるアルバムがまず必要だと思えたんだ。O2のライヴから旨味をすってるだけだと思われないようにもね。O2に向けての作業にはものすごくたくさんのものを注ぎこんでいたからね。しかも、ぼくたち3人はいろんな意味であるところまで来ていたからね。すごくいいものになっていたし、真剣に将来性があったんだよ。だけど、それとはまた別なことが同時に起きてしまったわけでね。それで終わったんだ」
なお、ジミーはバンドのカタログのリマスタリングに取りかかっていることが先頃、伝えられている。また、イギリスのアルバム・チャートの中間発表ではリアーナの『アンアポロジェティック』に次いで『祭典の日(奇跡のライヴ)』は2位につけているという。