──「モラルがあれば、ルールはいらない」
この言葉にcoldrainの信念がすべて凝縮されている。
「正しさ」ばかりが積み重ねられ、魂の叫びが押し殺されていくこの時代。そんな均質化への流れにcoldrainは真正面から抗ってきた。
彼らの掲げる“NO RULES”は、決して無秩序を意味するわけではない。そこには一本の軸として“モラル”があり、その上で自由を貫く強靭な意志がある。
ツアーファイナルのZepp Hanedaで最後に見せたのは、この日二度目の“Final destination”。ラウドロックのルールブックにはない制約を自らに課しながら、その矛盾を力に変えた歌は鋭く、そして、深い愛と誠実さに満ちていた。(古閑英揮)