今のサカナクションこそがポップ

サカナクションのツアー初日(正確にはプレビュー公演)の川崎CLUB CITTA'を観た。

僕は前にこのブログで彼らのニューアルバム『sakanaction』について「聴いた人の中で時間をかけながら、どこまでもポップなアルバムに変えていける有機的な作品」と書いた。
今日のCLUB CITTA'は、ステージ上の5人とライブに拘わっているスタッフ全員と観客全員ーーつまりその空間を作っている全員がそれぞれの中でポップにしたアルバム『sakanaction』を寄せ合わせて大きなひとつの『sakanaction』にしたような、まさに有機的なライブだった。

一昨年11月、山口一郎は売り上げ10万枚を超えたアルバム『DocumentaLy』を引っ提げたツアーの幕張メッセ公演のステージで「次はアルバムを20万枚売って幕張メッセを2daysやりたい」と言った。
そして今回のツアーには幕張メッセ2daysが含まれ、そしてアルバム『sakanaction』はオリコン1位を記録し、もうすぐ20万枚を超えそうだという。
敢えてわかりやすいコマーシャリズムに背を向けたようにも見えた今回のサカナクションのアルバムだが時代はちゃんと彼らが見つめた内側に開けたポップに追いついているのだ。

僕は《青いという劣等感 捨てて/痛いほど本能で踊って》と歌う「Aoi」という曲が特に好きだ。(古河)
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