ショウほど素敵な商売はない
2013.04.19 15:52
本日発売CUTの編集後記をアップします。
4月は人事異動の季節でもあります。
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星野 源主演のフォトムービーの撮影は、文京区・根津にある古い家屋を拠点にしつつ、「近隣のいろいろなお店に許可をもらいながら行った。事前のロケハンで許可を取ったところもあれば、当日にいきなりお願いしたところもあるのだが、タイ料理屋、雑貨屋、クリーニング屋、コインランドリー――どの店も企画の趣旨を説明すると面白がってくれて、一発で快諾してくれたのである。もし仕事などで同じようなことをしたことのある人ならわかると思うのだが、飛び込みでの許可取りというのは、かなり丁寧な説明は必要だったり、何件断られても諦めない根気が必要だったり、冷たくあしらわれても負けない強いハートが必要だったりする。しかし今回の撮影の許可取りは、実はとても簡単だった。出演者の知名度と、根津が文化的なものに親近感を持ちやすい町だということと両方あると思うのだが、もうひとつあると思ったのは、意外にみんな「ちょっとおかしな何か面白そうなこと」が日常のなかに起きることを待っているんだな、ということである。僕らが今回、共演ゲストにも登場してもらって、これまでとは一味違うフォトムービーを作ろうと思ったのも、星野 源という表現者の魅力を人々に伝えつつ誌面を通じて「ちょっとおかしな何か面白そうなこと」をみんなの日常にもたらしたいと思ったからである。相変わらず長年、続いた雑誌が廃刊されるというニュースも多いけれど、人々が好奇心と想像力の豊かさを失わない限り、このCUTという雑誌は求められ続けると僕らは信じていて、これからも、このようなCUTにしかできないことを追求していきたいと思う。
話は変わりますが、4月に人事異動があって、この号を最後に6年間CUTに豊かな想像力の風を吹かせ続けてくれた小栁大輔が編集部を離れることになりました。そして新たに井上貴子、兵庫慎司、川辺美希の3人が加わっています。小栁がこの雑誌に残したものを大切にしながら、より一層パワーアップしたCUTを作っていきますので、お楽しみに!(古河)