ザ・ビートモーターズの話

ザ・ビートモーターズの話

こないだの金曜の、ザ・ビートモーターズのライブの時。
(ライブレポはこちら → http://ro69.jp/live/detail/35959
ちょっと、いや、とても、気になった曲があった。

そのライブレポートの、下の方のセットリストを見てほしいんですが、
「恋するふたり」だの「素晴らしいね」だの「きれいな少女」だのといった、
ちょっとどうかと思うほど簡単な曲名の中にある、6曲目の「スマイルをおくれよ」というやつ。

知らない曲だった。新曲なのか、前からやってるけどレコーディングはしていないのか。
とりあえず、smaller recordingsから出した2枚には入っていない曲だ。

で、その曲の歌詞がですね。変だったのだ。

「泣かないで オーベイビー」とか、
「泣くなんてつまらないことさ」とかいうような、
つまり、泣いている「ベイビー」(赤ちゃんでも意味は
通るけど、普通はまあ彼女ですね)をなぐさめる、
「泣いていないで笑いなよ、スマイルをおくれよ」
みたいなていの、曲である。

なんだけど。途中で、

僕に面倒かけないでね
僕に迷惑をかけないでね

とか、

もう泣かないで
もう泣かないで
あーもう そんなこと
どこかでひとりの時にやってね

というフレーズが出てくるのだ。
ライブで聴いていて、
「面倒かけないでね 迷惑をかけないでね」
のところで、「ん?」と思い、
「どこかでひとりの時にやってね」のところで、
「えーっ!?」ってなりました、私は。

思わず、後日、マネージャーにお願いして、歌詞を送ってもらいました。
やはり、音源としては未発表の曲だそうです。

そして、じっくり読み直して、改めて思った。

ひでえ。
冷てえ。

いや、こういうことを思った局面が、自分の人生において
なかったか、と言われれば、正直言って、あります。
ありますけど、それ、わざわざ歌詞にする?
ひどいじゃん、人として。
いいことじゃないじゃん。
ひんしゅくじゃん。

でも秋葉は、歌詞にするのだ。
なぜなら、事実だから。
間違っていようがひどかろうが、事実として、あるから。
こう思ってしまうことが。

で、事実なのに、誰も歌わないのか、
なんか、ちょっと、なんだかなあ、と思うから、歌にした。

っていうようなことなのではないか。
つくづく、「こいつ、すげえ」と思った。

大昔、Theピーズの『マスカキザル』というアルバムに、
「どっかにいこー」という、切々としたラブソングが入っていた。
彼氏のいる女の子を好きになってしまった男の歌なんだけど、
切々とした曲調のわりに、歌詞はめちゃくちゃで、

頭ひやして 考えてみ あいつはいい奴だ きみには合わないよ

とか、

別れるのが めんどくさいだろうけど もうだめだって言えば せいせいするよ

なんていう、めちゃくちゃなことを歌っていた。
めちゃくちゃというか、言っていることがひどいとか、
自分勝手とかいう以前に、単に、理屈が通っていない。

でも、はるはそう歌った。
そう思ったからだ。
で、他に、言いようがなかったからだ。

というのとは違いますが、インパクトとしては、
ちょっとそれに近いものを感じた。
やっぱりおそるべしかも、ザ・ビートモーターズ。
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