THE BACK HORNと新宿ロフトの話

9月29日発売『ROCKIN’ON JAPAN』11月号で、20周年アニバーサリーの活動の一環で、インディーズ時代の3作品を改めてレコーディングし、2枚組にまとめた『ALL INDIES THE BACK HORN』を10月17日にリリースする、THE BACK HORNのインタビューを行いました。
あと、9月には、週刊新潮で連載が始まった住野よるの新作『この気持ちもいつか忘れる』とコラボして書き下ろしたデジタルシングル『ハナレバナレ』も出ています。
小説とコラボって何? ということについても、インディーズ時代の3作品を今レコーディングすることの必然についても、4人がみっちり答えてくれたインタビューなので、ぜひご一読いただければ幸いです。

で。そのインタビューの時の余談。結成20周年を締めくくるアニバーサリーツアー『「ALL TIME BESTワンマンツアー」〜KYO-MEI祭り〜』、初日の10月1日、新宿ロフトなのですね。彼らのワンマンとしては明らかに小さすぎるキャパの。
ベース岡峰光舟に訊いたところ、「20周年のあたまに下北沢シェルターでやったライブがすごくいい感じだったので、今回もその感じをやりたかった。始まりはシェルターだから、締めくくりはロフトがいいなと思って決めた」という答えが返って来ました。
で、「元従業員、っていうのもあります?」と訊いたら「そんなことはひとことも言ってません」と、返されました。

THE BACK HORN、インディー盤3枚出して、さあこれからメジャーデビューというタイミングで、ベーシストが脱退。まだ若かったメンバー3人はショックのあまり、ふてくされたりやさぐれたりして新しいベースを探そうともしない。しかたなく、当時のマネージャーが走り回っていたある日、新宿ロフトのカウンターで「ベースやめて困ってんですよー」という話をしたら、店長が「あ、こいつ、ベースですよ」と指差したのがバイトの岡峰光舟だった。それがきっかけで一緒にスタジオに入り、サポートメンバーになり、その約2年後に正式加入──というのは、ファンみんな知っているエピソードですが、私、この話、妙に好きなんです。「あ、こいつ、ベースですよ」きっかけで、バンドと光舟、双方の運命が動いた感じとかが。
あと、自分が初めてTHE BACK HORNを観たのが新宿ロフトだった、というのもあります。「あ、こいつ、ベースですよ」事件の少し前、前任ベーシストの頃です。当時、山田将司は坊主頭でした。

なお、その新宿ロフトで始まるツアーのファイナルは2019年2月8日、三度目の日本武道館です。(兵庫慎司)
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