ツアーが全国ソールドアウトしている中、少しでも観られる機会を増やそうというバンドの思いから実現した「プレ初日」だったが、O-Crestという小型の会場に破格の熱が凝縮された凄まじい70分間だった。
変な表現かもしれないが、ねぐせ。は今、バンド自身もファンも極度の躁状態にある。鋭角な発展途上曲線をカーブしているこの状態に本人達もファンも興奮し、その現場の当事者、目撃者になっていることに熱狂している。
成功したバンドは長くキャリアを重ね大きくなっていくが、この日O-Crestで体感した熱量の種類は、バンドキャリアの中で一度しか訪れない、「青春的な高揚感」そのものだったと思う。
同期を使った新曲の入り方を間違えて、やり直し方をステージ上で話し合う4人のやり取りが妙に微笑ましくあったかく、ねぐせ。らしかった。
写真は終演後の四人。乾杯は"片手にビール"。
(海津亮)
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