「あんまり死ぬことを考えるなよ」とヤマトは言った。そんなこと考える間も与えないほど、最初から最後までトップギアの熱量で約1時間半を駆け抜けていった。
ヤマトもまた、音楽に救われ、音楽によって命を繋いできた一人なのだ。そんなヤマトが作った生々しい歌は、楽しくない日々を生きる人の心を惹きつけ、我を忘れるほどに熱狂させる。
決してわかりやすい希望や明るい未来を提示したりはしないけど、それでも、今日会場に訪れた人の命が確実に引き延ばされたと思う、そんな夜だった。(有本早季)
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