先月号の『ROCKIN'ON JAPAN』で特集した今急成長中の4ピースバンド・muque。
クールなビートとセンスあるメロディラインがまず耳に残るが、その音楽性とはギャップのある人間味のある歌詞とエモーショナルなライブが魅力的で、そのときの取材ブログでも、ボーカル・ギターのAsakuraが綴る、コンプレックスを抱える自分に発破をかけるような歌詞の引力について書かせてもらった。
取材のあとにリリースされた、《つまんないなら早く帰ったらどう?》と痛烈なフレーズで始まる新曲“desert.”も、そんなAsakuraの想いを知っていると優しく心に響く。
どうしようもない逃げたくなる現実と葛藤し、時に気怠く、時に泣き出しそうな切ない声で歌いながら、サビの最後は《消えないで光は/あなたの中にある/負けないで走り出せ/あなたの中にあるもの》とポジティブなメッセージで終わるところにmuqueらしさを感じる。
海外チャートで流れていてもおかしくない最新型のトラックに、シンプルな日本語で、しかも語感だけではなくしっかりと心のこもった言葉で勝負するmuqueはやっぱりかっこいい。muqueの音楽が、日本中の人々の体と心を揺らす日が来るのもそう遠くないのかも。(有本早季)
『ROCKIN'ON JAPAN』7月号のご購入はこちら
動き出せずにいる心と体を揺さぶるmuqueの新曲“desert.”がやっぱりかっこいい
2024.05.31 17:30