プリンスが、ボルチモアで平和を訴えるためにコンサート。無料ストリーム。シングルも発表!

プリンスが、ボルチモアで平和を訴えるためにコンサート。無料ストリーム。シングルも発表!

プリンスが、ボルチモアの平和を訴えるために、5月10日にボルチモアで"ラリー・フォー・ピース”と題したコンサートを開催する。最近暴動が起きたばかりで外出禁止にまでなっていた緊迫する市に、すぐさま乗り込んでいくプリンス。その行動があまりにパワフルで感動してしまう。ライブには豪華なゲストが結集するとの噂もある。

そのライブをJay-Zらが運営するストリーミングサイトTidalが無料でストリーム(普段は有料)。ボルチモアの若者を支援するための寄付を募り、集まった金額と同額だけTidalも寄付するということ。
http://tidal.com/us

プリンスは、”ボルチモア”というプロテストソングも書き、発表された。
こちら。
https://soundcloud.com/prince3eg/baltimore

プリンスは、「あまりにたくさんのことが起きているから、色々なことをしたんだ。それを曲にして発表しないわけにはいかなかった」と語っている。

ボルチモアの緊迫したエネルギーを解放するような軽やかなサウンドで、非常に風通しが良くて気持ちいいファンクのプロテストソングだ!

先に発表された歌詞は以下の通り。

Baltimore
lyrics by Prince
NPG RECORDS, copyright 2015

NOBODY GOT IN NOBODY'S WAY
SO EYE GUESS U COULD SAY
IT WAS A GOOD DAY
AT LEAST A LITTLE BETTER THAN THE DAY IN BALTIMORE

DOES ANYBODY HEAR US PRAY?
4 MICHAEL BROWN OR FREDDIE GRAY PEACE IS MORE THAN THE ABSENCE OF WAR
ABSENCE OF WAR

R WE GONNA C ANOTHER BLOODY DAY?
WE'RE TIRED OF CRYIN' & PEOPLE DYIN'
LET'S TAKE ALL THE GUNS AWAY

ABSENCE OF WAR- U AND ME
MAYBE WE CAN FINALLY SAY
ENUFF IS ENUFF IT'S TIME 4 LOVE

IT'S TIME 2 HEAR,
IT'S TIME 2 HEAR

THE GUITAR PLAY! (guitar solo)


内容的には、もう拳銃は捨てよう。これ以上戦いはやめよう。愛する時がきた。耳を傾ける時がきた。と歌い、最後に「ギターソロ」とわざわざ書かれているのが良い。

亡くなったフレディ・グレイの名前も出てくるし、同様に警官に殺されたマイケル・ブラウンの名前も出てくる。

ライブの声明文によると「このライブは、ボルチモアで起きた暴動を阻止し、反省する機会を与えるために行う」というもの。「お互いの人間性と愛の証として、ライブに参加する人は、暴力で亡くなった方へのトリビュートとしてグレイ色の何かを身につけるようにお願いしたい」ということだ。

日本でも報道されていると思うが、念のため背景は、4月12日にメリーランド州ボルチモアで、フレディ・グレイという黒人男性が、警官に尋問を受け逮捕。護送中に意識不明になり死亡するという事件が起きた。原因ははっきりと明かされておらず、頸椎損傷だったと言われている。

アフリカ系アメリカ人が警察に殺される事件があまりに相次いでいることもあり、ボルチモアではこれを受けて、抗議運動が行われたのだが、それが車を燃やすなどの大暴動になってしまった。州は非常事態を宣言し、州兵を出動。市長は、市民全員に、夜10時から朝5時まで外出を1週間禁止というあまりに緊迫した事態が続いていた。もう事態は落ち着いているはずだが、野球場に観客を入れないで試合したくらいだった。

ただし、最近になって州検察当局は、調査の結果、グレイの事件を殺人と判断。6人の警察を訴追と発表した。

それを発表した検察の女性があまりに正義感に溢れていて、アメリカ中から一瞬にして彼女は誰なのか?というニュースが駆け巡ったくらいだった。不適切な感想かもしれないが、下手なスーパーヒーローよりこうやって日々地道に働き、突然どこからともなく正しいと思えることをやってのける一般人が現れることのほうがむしろ感動的。

話がそれたけど、とにかく、プリンスのライブがあまりに楽しみ。今を反映した政治的なテーマを持ったディアンジェロの最新作も素晴らしかったし、ニール・ヤングとかプリンスとか、こういう時に必要とされていることをやってのけるふさわしいアーティストがいるということ自体が素晴らしい。シングルのジャケでもあるこのポスターも素敵。
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