ドレイク、フローレンス、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ君も飛び入り映像。NYフェス盛大に開始DAY1

今年でまだ5年目だけど、急激に成長を遂げているNYのガバナーズボール・フェス。5日に初日が行われ大変盛り上がった。ほぼ毎年行ってるけど、金曜日としては、早い時間から過去最高かという人の多さだった。
ドレイク、フローレンス、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ君も飛び入り映像。NYフェス盛大に開始DAY1
これは、Randall's Islandという所で行われているフェスだが、3日間とも売り切れで、キャパは約5万人。4ステージで約70アクト出演。

この日のサプライズでは、Chromeoのステージに去年のヘッドライナーだったヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ君が出演したこと。「ギターの練習しているんだよね」とギターリフを弾いたら、それが”Cape Cod Kwassa Kwassa”で、なんとエズラ君本人が登場。さらにChromeoと一緒に”Bonafide Lovin”まで演奏した。

映像はこちら。
http://www.billboard.com/articles/columns/music-festivals/6590503/vampire-weekend-ezra-koenig-chromeo-governors-ball-video

この共演も象徴していたかもしれないが、今回これまで以上に印象的だったのは、とにかく今のあらゆるタイプの若者が一同に介していたこと。

ヒップホップキッズもいれば、タイトにシャツを着るEDMクラウドもいるし、かと思えばフローレンスなボーホーシックもいるし、マイ・モーニング・ジャケットの最前列で声を張り上げて歌うインディキッズもいれば、St. Vincentを観たいがために、朝一から最前列を陣取るかわいい女の子達などなど。

もちろんフェスってそういう色々な音楽が混じり合って当たり前なのだが、昔はもっと白人キッズが主流だった。だから、今回のラインアップは、今の音楽シーンと観客をそのまま象徴しているところが素晴らしいと思った。また、ビョークと、ラナ・デル・レイを今年ブッキングした唯一のアメリカのフェスでもある。

初日のヘッドライナーがヒップホップのドレイク。2日目がEDMのデッドマウス、3日目がロック代表ブラック・キーズというのが何よりそれを物語っているかもしれない。また、フェスの中心、2日目がデッドマウスというのもなるほどだ。

詳しくは、これから発売されるコレポンに書かせていただくので、短いレポート。

まずドレイク。とんでもなく気合いの入ったセット。なにしろ、途中でLEDライトのステージの前に、ジャングルが出てきたりしたのだ。ドレイクも、「これはこれまで出たフェスの中で最高の観客」と何度も連呼していたけど、確かに5万人の狂い方は圧巻。

そもそも、ドレイクのヒット曲が多すぎることも実感。それでも新作『If You're Reading This It's Too Late』の曲を多く演奏したとは言え、"Started From The Bottom”から、"0 to 100”から、”Tuesday”から。様々な観客をひとつにまとめられる内容。最新作の思いきりハードな曲から、"Hold On, We're Going Home”みたいな超メロウな曲が大ヒット曲というのも大きい。ソロのツアーも観客が増え続けているし、コーチェラの評判はまあまあだったという噂も聞くが、今回はよりフェスを意識した内容だったのかもしれない。だから、捨て曲なし。この日のライブは満場一致の素晴らしさだったと思う。

さらに、特筆すべきは、ドレイクの前にメインステージに出演したフローレンス+ザ・マシーン。彼女は「足を折ったのつい忘れてしまうわ」と何度もステージで言ったいたけど、実はコーチェラで足を折って、それが完治していないそうだが、そうとは思えない動きよう。とにかく、大所帯のバンドも、フェスそのもののスピリットを大いに上げた。彼女の音楽が実はいかにポップサウンドとして優れているのかをこの大舞台での盛り上がりが証明していた。スピリチュアルで、エモーショナルで、しかもみんなを踊らせ、合唱させる。会場に「ハグして」と看板を掲げた女の子がいて、「クラウドサーフしてここまで来たらハグしてあげるわ」と言って、本当に女の子はそうやってステージまであがり、ハグしてもらったりしたのだ。素敵。

フローレンスを観つつ、St.Vincentも観に行くとなおさら、今度は彼女のコンセプチュアルな部分の鋭さが光り、ノイズが思いきり気持ち良く感じた。

ドレイク、フローレンス、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ君も飛び入り映像。NYフェス盛大に開始DAY1
ドレイク、フローレンス、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ君も飛び入り映像。NYフェス盛大に開始DAY1

またこの日女子続きで言ってしまうと、早めに出演したCharli XCXがフェスが何たるかが分かっている素晴らしいライブで感動。彼女もヒット曲満載だし、ド派手な衣装とパフォーマンスで、朝からぽちぽち降り出した雨も止んでくれた。”pussy power”と連呼していて、それがポップアクトの叫ぶ言葉としていつの間にかアリになっているというのが、すごいと思った。

ドレイク、フローレンス、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ君も飛び入り映像。NYフェス盛大に開始DAY1

個人的にはさらにDIIVが良かったと思った。新曲を多く演奏していたんだけど、前作の延長線上でありながら、より柔らかさとか優しさが光る曲になっていた。新作『Is the Is Are』の発売は遅れているようだけど、今年の秋に発売?楽しみだ!

My Morning Jacketは最初の3曲だけ観て、泣く泣くドレイクに行ったのでレビューが書けるほどではないけど、もうものすごい大合唱で、ドレイクを捨てて、My Morning Jacketに残ったというその愛と意志とプライドが観客から感じられる3曲だった。もしかしたらそれが今のロックのメンタリティーなのかも?2日目もデッドマウスの裏で、ライアン・アダムスだし。その他、The Districts、Rae Sremmurd、Benjamin Booker、Rudimental、Death From Above 1979も観たけど、コレポンで。

番外編としては、NYで人気のラーメンバーガーの店が出店していて、そこが長蛇の列。しかも女の子ばかりだったのに驚いた。さらに、抹茶カフェ店もあったし、その隣りではYUZU + MISO味のコーンが売っていた。クールジャパン……とか言っている間に、若者やオシャレな人達はどんどん先を行っている。

2日目はデッドマウスの前にメインステージで演奏するビョークも楽しみだ!
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