レディオヘッドのトム・ヨークが『OKコンピューター』時の自分を振り返る超貴重+新インタビューをローリング・ストーン誌が巻頭掲載。

4)ツアーバスで”OK コンピューター”を聞く。
全米にツアー中に、バスの中で、”A Hitchhiker's Guide to the Galaxy”のテープを聞き、その中でキャラクターが「OK、コンピューター。これからは全部マニュアルのコントロールにしたい」と語るシーンがあり、そこからタイトルを取った。

5)レコーディングしたお屋敷がお化け屋敷だった
ジョニー・グリーンウッド「(子供部屋に寝た)壊れた不気味な人形と木馬に囲まれていた。みんな変な声を聞いていた」
トム「眠っている間にお化けに話しかけられた。ある晩変な声が聞こえた後、朝起きて髪を切ることにしたんだ。そしたら自分で自分で切っちゃったりして、上手くいかなかった。下に降りていったらみんなに、『大丈夫?』と言われて、『何かおかしい?』と言ったんだんだけど、フィルが僕の髪を全部剃ってくれたんだ」

さらにこのインタビューでは“Karma Police”の重要性なども語られている。

6)『ア・ムーン・シェイプト・プール』について。
『ア・ムーン・シェイプト・プール』の制作時はバンドが非常に壊れやすい状態だったとエド・オブライエンが語っている。
「アルバムが発売された時に、それについて語れる状態になかったんだ」。だからインタビューは受けなかったそうだ。制作時も「非常に壊れ安い状態で、どうにかして地に足をつける必要があった」。しかしエドは、「もうこの話しはこれ以上したくない」と続けている。精神的にはまだその渦中にいるのだろう。

恐らくトムの長年のパートナーだったレイチェル・オーウェンが去年の12月にガンで亡くなったことについて語っているのだろうとローリング・ストーンは予想している。ふたりはその前の年に別れてはいたけど、アルバム全曲からトムの悲しみが伝わってくるからと。またレイチェルが病気だったことは、彼の本当に近い人達しか知らなかったそうだ。

トム「あの時は本当に辛いことが色々と起きていて、人間としてみんなとても大変な時期だった。だからアルバムが完成したのは奇跡としか言いようがない」

しかし、このアルバムのツアーをトムは楽めたそうだ。「すごく楽しめたんだ。まるで解放されたような感じだった。そんなこと僕が言うなんて珍しいんだけど」

最後にトムは、1997年以来初めて、バンドとしてライブレコーディングで、アルバムを作ることもあり得ると語っている。「僕はずっと絶対に、ドラム/ギター/ベースバンド、にはなりたくないと、抵抗してきた。でも、みんながそれを本当にやりたいなら、僕はもう年だし、金槌を掲げて『僕らはこうやらなくちゃダメなんだ!こうじゃなくちゃダメなんだ!』なんてみんなの前に立ちはだかるつもりはないよ。みんなに自由を感じてもらいたいから。だけど、それは簡単じゃないんだけどね」と笑ったそうだ。
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