現在開催中のベネチア映画祭。期待の新作が次々に上映されていて、その評判が流れてくるのだけど、目に留まったのは、デヴィッド・フィンチャーの新作『The Killer』が現時点では高評価なこと。
内容はあまり読まないようにしたのだけど、この映画は、同名のフランスのグラフィックノベルが原作。脚本は、フィンチャーとは『セブン』、『ファイト・クラブ』(ノンクレジット)、『パニック・ルーム』(ノンクレジット)でも仕事しているアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーだ。恐ろしいのは、フィンチャーが記者会見で、「この映画を観たら、ホームセンターで後ろに並んでいる人を怖いと思って欲しい」と言っていたこと。
しかし、楽しみなのは、スコアだ。彼の作品では常連と言えるトレント・レズナーとアッティカス・ロスが手掛けている。すでに予告編が公開されているけど、例えばフィンチャーの前作『Mank』と比べても、
トレント・レズナーらしさがこれまでになく遠慮せずに発揮されているような気がする。
更に面白そうなところは、映画自体は非常に静かな作品らしいのだが、ザ・スミスの曲が何度も流れるのだそう。私はまだ映画を観てないので、記事をいくつか読んだだけで誤解していたら申し訳ないけど。IndieWireによると、
マイケル・ファスベンダー演じる”キラー”が、殺人をする前と後、気持ちを落ち着けるために、ザ・スミスをメディテーションのように何度も聴くのだそう。使われているのは、例えば、
”How Soon Is Now?”,
“Bigmouth Strikes Again” や、
”I Know It’s Over”など。
記者会見で、音楽についてフィンチャーが語っている。
●トレント・レズナーとアッティカス・ロスの起用について。
●ザ・スミスについて。「トレントとアッティカスは、僕らが一番お願いしたかった人達だから、彼らが電話を折り返しかけてくれたから、自分は本当に幸運だと思っていた」
映画はNetflixなので、世界同時に11月10日に配信開始。アメリカでは、10月27日に劇場でも公開されるけど、日本での劇場公開については分かりません。すいません。とにかく映画が超楽しみだ!「ザ・スミスは、ポストプロダクションの時に決めて使ったものだった。もともと、”How Soon is Now?”を使いたいというのは自分の中で決めていて、この男が、不安を抑えるために音楽を聴く、というアイディアが良いなあと思っていたんだ。彼にとってはメディテーションのテープみたいなもので、楽しいし面白いと思ったんだ」
「(ザ・スミスくらい)皮肉で同時にウィットがある歌詞の曲がたくさん揃っているアーティストって、他にいないと思う。それから、映画の中でこの主人公が一体どんな人物なのか、実はよく分からない。だから彼のミックステープを通して、彼を垣間見ることができるっていうのも、楽しいと思ったんだ」
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