クリープハイプ、ニューアルバム全曲カウントダウンレビュー! その9:寝癖

クリープハイプ、ニューアルバム全曲カウントダウンレビュー! その9:寝癖
12月3日、クリープハイプのニューアルバム『一つになれないなら、せめて二つだけでいよう』発売。リリースまで、このブログで毎日1曲ずつ、レビューをしていきます。

リリースまで4日、9曲目は“寝癖“です。


■曲の持つものが意外と力強い。すれ違ってるんだけど、前を向いてる気がするんですよね(小川幸慈)


ご存知、移籍第一弾シングルとなった”寝癖“。イントロのギターリフとドラムからして、すごい緊張感があったんだな、とこうしてアルバムの流れで聴くと改めて思う。このシングルについてインタヴューしたとき、小泉拓が「メンバーでいるのが楽しい」と言っていたのが印象に残っている。尾崎も「味方って言ったらメンバーぐらいしかいないって、最終的には思うから」と言っていた。その一体感、「バンド」としてもう一度前に行こうとする感じ、それがじつはこの曲には色濃く出ていると思う。4人の演奏も、まるでお互いがお互いを支えるように、1本の太い線となって走っている。

サウンドと同じように、歌詞にもここから始まるんだという感覚が浮かび上がる。自分の気持ちを、思い通りにならない寝癖にたとえながら、すれ違っていくふたりを描く、その書きぶりは”左耳”あたりにも通じる尾崎のオハコだが、明らかに新しい。たとえば、これは「別れの歌」だと尾崎は言っているが、だとすれば《ずっとここにいてね》という言葉で終わるのは少し変だ。すれ違っても、離れていっても、最後には《ずっとここにいてね》という意思に辿り着く、それは一体どういうことなのか。

何度も書いているとおり、「変わっていくこと」というのがこのアルバムの根底にあるテーマだと僕は思っている。いい意味でも悪い意味でも取り返しの付かない変化があるということ、そしてそれを受け止めるということ。この曲はそれを真正面から歌っている。

《いつも同じシャンプーの匂い
いつも同じリンスの匂いで
すっと一緒にいたいと思ってたよ》

というフレーズは言葉を変えれば「ずっと一緒にはいられない」ということを歌っているわけで、お互いに変わっていく(《君の髪が白くなっても》《新しい君の髪型はもう全然似合ってなくて》)なかで、それでも《ずっとここにいてね》と願うという「強さ」が、冒頭の発言で小川が言っている「意外と力強い」部分なのだ。


明日は10曲目、”社会の窓と同じ構成”について書きます。

そして本日、クリープハイプ表紙のJAPAN発売です!
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