ミツメのニューアルバム『ささやき』は未来へと連なる
2014.01.28 01:16
次号(1月30日発売!)のJAPAN「NEW COMER」コーナーに掲載する、ミツメ。
2月5日リリースの『ささやき』は彼らのサード・アルバムなので、ニューカマーというのは厳密にはヘンなのだけど、あえてこういう形にしたいと思った。理由は簡単で、このアルバムを聴いたとき、僕には「2014年が始まった」という手応えというか確信というか、そういうものがあったからだ。
ミツメのロックはなめらかに流れる。メロウなのにドライで、どこまでも平熱だ。その平熱の裏には、続いていく日常への信頼がある。いつ始まって終わったのかもわからないようなさりげなさで綴られる歌詞とメロディは、知らず知らずのうちに連なって、折り重なって、未来へとつながっていく。
閉塞感に打ちひしがれるでも、それをバネにポジティヴに突き抜けるでもなく、何気なく、しかし確かに続いていく今日を信頼し、それを音楽に落としこむ。その新しいフィーリングは、これまでと違う何かが始まるということを予感させるに充分だ。
写真は取材させてもらったときの彼ら。その朴訥とした楽観性が印象的だった。こういう連中が、意外と時代を変えちゃったりするのかもね。