シャムキャッツ、アルバム『AFTER HOURS』はこうしてできた

シャムキャッツ、アルバム『AFTER HOURS』はこうしてできた

という、アルバムのトレイラー映像↓。


アルバムの全体像もざっくり分かると思う。

明日発売のJAPANで記事を書いているのでそれもぜひチェックしてほしい。なぜいまシャムキャッツなのか、気合い入れて書いたので。
が、いかんせんスペースの都合上、書こうと思ったけど書けなかった、というかあえて書かなかった話というのがあるので、それをここで書きたいと思う。ちょっと長いです。


バンドのメインソングライターでVo・Gの夏目知幸は、前作『たからじま』を作ってツアーをやった段階で、「自分の中で好きな音楽っていうのがなくなっちゃった」のだという。

「ファースト出して5年経ちますし、そうするとある程度、どういうものがどういう感じで受け入れられるかっていうのがわかってきちゃう部分もあるし、あんまりキラキラしなくなっちゃったんですよ、音楽が自分の中で」

そのときにたまたま聴いてしっくりきたのがザ・スミスやアズテック・カメラだったそうで、そこにヒップホップ的なビートの強さをかけ合わせたものがやりたい、というのがサウンド・デザインの青写真となり、そこに2011年の震災とその後の生活の変化が重なり、ニューアルバムのコンセプトへとつながっていった。

この「音楽がキラキラしなくなった」というのはとても重要で、というのも、前作の『たからじま』というアルバムはそのタイトルやジャケットからして「キラキラ」というよりギラギラしていたアルバムだからだ。
「たからじま」というのはつまり「ここではないどこか」の象徴である。そしてその1曲目で彼らは"なんだかやれそう”と叫ぶ。


そのムードは、一言でいえば「青春」だった。感情が昂ぶり、衝動が肉体をはみ出し、心が成長痛で軋み、新しい世界を探す、そんな時間だった。
しかしその青春も終わる。狂騒が「終わった後」で、それでも続いていく日々とどう向き合うのか。それがつまり『AFTER HOURS』だ。


続いていくことや変わっていくことを受け入れ、それを愛し、一方でくすぶり続ける青春の残り火を忘れずにいる。そんなバンド自身のモードの変化が、期せずして(なのか無意識になのか)「震災以後」の心のありかたとシンクロしたポイントで生まれたからこそ『AFTER
HOURS』は傑作なのだ。つまり、バンドの物語、そして時代性、そのいずれにおいても必然をもっているアルバムなのである。


ということを踏まえて、JAPANの記事を読み、3月19日発売のアルバムを聴いてみてください。

"MODELS”(何度聴いても名曲)
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