ジャスティン・ビーバー、3年ぶりの来日観察記。記者会見&Mステで見せた最新モードとは 

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新作『パーパス』のプロモーションで来日したジャスティン・ビーバー。4日にはミュージックステーションに出演し、都内で記者会見にも応じたが、今作にかける意気込みがよく伝わってくる来日になった。

初出演となったミュージックステーションでは最新シングル"What Do You Mean?"を披露。この曲は強烈な歌唱を特に前面に打ち出したトラックではないため、彼のヴォーカル・パフォーマンスを堪能できるものとはならずそこがちょっと残念だった。けれども、ダンサーを引き連れてのこの曲のねっとりとした振り付けとそのパフォーマンスは来年3月からのツアーではファン的に必ず盛り上がる観せどころとなるはずなので、その先取り的なファン・サービスとなっていた。

記者会見ではさまざまなアングルからの質問に答えることになったが、自分がいかに今度の新作に賭けているかという話へとごく自然に誘導していくジャスティンの言動に一皮むけた意志の強さを感じた。今度の作品の動機やきっかけなどについて具体的には触れなかったけれども、ここ数年すっかりお騒がせアイドルとなっていたことを「ここ数年いろいろあったけど」「そんな自分と向き合った作品にしたかった」と何度も訥々と説明。そんなジャスティンの姿からは、作品に自身の内実を語らせるというアーティスト性を込めたかったという意志がよく伝わってきた。

実際、今度の作品は充実した内容になっていて、徹底したダンス・ポップでありながらここまで自分らしさをアーティスト性として打ち出すことに成功しているところなどはマイケル・ジャクソン以来のことではないかと思う。たとえば、スクリレックスなどとのコラボレーションを試みながらも、EDMにどっぷり浸かることなく、徹底してビート感の強いR&Bとして仕上げてきているところにジャスティンなりの強いこだわりを感じさせるのだ。一見すると派手な掴みはないかもしれないが、完璧に仕上げられた作品としてジャスティンのキャリアを代表する作品になることは間違いない。それに完全に大人になったジャスティンのヴォーカル・パフォーマンスも素晴らしく、これがなによりも彼の作品世界を構築する土台となっているのだ。

ジャスティンが登場した当初、驚愕したのはそのあまりに卓越したヴォーカル・パフォーマンスだった。徹底してR&Bにこだわってきた楽曲の数々も個人的には好感度が高かったが、その声そのものにただ「巧い」「美声」というだけでは説明しきれない天性のパーソナリティが備わっているのが気になってしようがなかったものだ。たとえば、カニエ・ウェストがジャスティンの"Runaway Love"をわざわざウータン・クランのビートと合わせたリミックスとして自分のコンピ用(『GOOD Fridays』)に作ってみせたのも、おそらくジャスティンの声質が持つこのブルース性に着目してのことなのだろうと思う。

ここ数年、事件続きで文字通りお騒がせ芸能人と化していたので行く末はマコーレー・カルキンかとやきもきしたけれども、ややもすると失われがちなこうした自分の素質の輝きをしっかり自分の強味として今回の作品に仕上げてきたところに今のジャスティンのアーティスト性を強く感じるのだ。(高見展)
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