日本が誇るロックバンドの、最高のパフォーマンス。ただ感激するしかなかった。
日テレ系音楽番組『THE MUSIC DAY 夏のはじまり。』、11時間に及ぶ生放送の終盤に登場したTHE YELLOW MONKEY。
彼らがテレビ番組で演奏するのは復活後では初。活動休止直前の『CDTV年越しプレミアライブ』(2000年)以来、実に15年半ぶりのことだ。
この日披露した“SPARK”“バラ色の日々”スペシャルメドレーの歌とサウンドが、15年の空白をまるで感じさせないロックの妖艶さと4人一丸のダイナミズムに満ちていたのは、今まさに復活ツアーで脂が乗りまくっているから……だけではもちろんない。
彼ら4人を再びTHE YELLOW MONKEYに向かわせた理由そのもの、つまり「自分たちはTHE YELLOW MONKEYである」という事実――いや奇跡を、吉井/エマ/ヒーセ/アニーが真っ向から受け止めていることの何よりの証明だろう。
「THE YELLOW MONKEYってやっぱカッコいいなって素直に思った」(アニー)
「横を見たらメンバーがいる、ありがたみというか幸せを感じた」(エマ)
「実家の自分の部屋に戻ったみたい」(ヒーセ)
「もう唯一無二すぎて。自慢のグルーヴだね」(吉井)
そんな4人それぞれの言葉で“今”の充実感を語っていたのも感激ものだったし、吉井が「日本のロックバンドの国宝でありたい」と“これから”へ向けた想いを口にしていた場面には胸が震えた。
彼らは今や、《TVのシンガー これが現実/君の夢など思い過ごしさ/誰かの憧れ》(“TVのシンガー”)といったシニカルなモードでロックを発信する必要などまるでない。テレビの画面越しに、迷いも衒いも一切なく、日本中に堂々とロックを振り撒いている4人が、そこには確かにいた。それが何より嬉しかった。
THE YELLOW MONKEYの新しい歴史が始まる――そんな実感に満ちたひとときだった。(高橋智樹)