Hi-STANDARD全ディスクレビュー 2ndアルバム『GROWING UP』(1995/11/1)

Hi-STANDARD全ディスクレビュー 2ndアルバム『GROWING UP』(1995/11/1)

17歳の時にHi-STANDARDを知って、『GROWING UP』を聴いて、私の人生は変わった。
いや、本当に、大袈裟じゃなく変わったのだ。暗くて重い音楽ばかりが味方だと思っていた人生に、光が差したのだ。

自分の中の「ロックバンド」の概念を打ち砕く、軽やかな疾走感。みんなで歌えるような、きらめくメロディ。普段着のお兄ちゃんたちがヤンチャにかき鳴らす革命的な楽曲の数々に、鬱々と暮らしていた地方都市の高校生は完全に撃ち抜かれた。

《今のオマエなら何でもできる/ただ自分で気がついていないだけさ》(“MAXIMUM OVERDRIVE”和訳)、《オレは自分の道を このままずっと歩いてく》(“I’M WALKIN’”和訳)――私だってやれるかもしれない。やりたいことをやれるかもしれない。こうして根拠のない自信と果てしない希望が膨らんだことで、今の自分がいる。《「失敗したらいつでも戻ってこいよ」/「いや戻らない そしたらもう一回やってみるよ」》(“GROWING UP”和訳)――“GROWING UP”の歌詞を心に携えて上京してから20年近く。今作にまつわる一曲一曲に思い出が刻まれているほど、人生のお守りのような一枚になっている。特に、「AIR JAM '98」で聴いた“IN THE BRIGHTLY MOONLIGHT”が甘く切なかったことは忘れられない。

今は娘の将来を重ね合わせながら、“GROWING UP”を聴いている。きっと、一生聴き続けるんだろう。一生成長し続けるために。(高橋美穂)
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