『第1回明石家紅白!』を観た。もうすでに2回目を待ち望んでいる

『第1回明石家紅白!』を観た。もうすでに2回目を待ち望んでいる

本家『第67回NHK紅白歌合戦』の出演者が発表されたばかりだが、「さんまが紅白の司会に!?」と囁かれた噂の真相『第1回明石家紅白!』が、2016年11月24日夜にNHK総合で放送された。まったく、笑いと音楽のジェットコースターみたいな70分であった。明石家さんま、実に31年ぶりのNHK出演(その間、特別出演などはあった)であり、同局初の冠番組。「今、会いたいミュージシャンに会う」というコンセプトの、軽妙なトークと音楽パフォーマンスに満たされた時間である。

まずは、欅坂46、ピコ太郎、泉谷しげるの3組が一堂に会する。「センターに立つという夢を15歳(平手友梨奈)に奪われて、ほかのメンバーはどうなの?」といきなりぶっ込まれるさんま節が強烈だ。さんま×泉谷しげるのコンビネーションではさらに本音トークが加速。「立派になったらつまんねー。バカやれなくなるじゃん」というやりとりから、ボブ・ディランのノーベル賞にも言及するのはさすが。ピコ太郎は“PPAP”(『明石家紅白!』スペシャルバージョン)を用意して出演に臨んだが、泉谷の「これ、何がおもしろいんだ?」の一言で片付けられてしまう(でも、振り付けの細やかさについては賞賛されていた)。

後半は、槇原敬之、いきものがかり、Little Glee Monster、八代亜紀の4組が賑々しく出演。名曲たちの歌詞フリップが用意された槇原敬之は、“もう恋なんてしない”制作の話題から、

さんま:「明るく歌おうとしたのか、それとも悲しく歌おうとしたのか」
槇原:「これは、メロディに合わせて歌っただけですね」
さんま:「なんやねん!」

という笑いの一幕があったのだけれど、これ実は、メロディ本来の力を引き出そうとする槇原歌唱に、鋭く切り込んでみせた対話だ。いきものがかりは、“じょいふる”熱演の後に「さんまは英語でsaury(ソーリー)なので、さんまさんが自己紹介するとアイムソーリーになる」という知性派のホストいじりを敢行。リトグリも、華麗なアカペラコーラスで“しあわせって何だっけ”(明石家さんま)や“みかん”(大竹しのぶ)を披露してみせた。おもしろい。そして番組を締めくくったのは八代亜紀の“舟唄”。マッキー曰く「今の感じがまたかっこいいですね」という、さんまを抱擁しながらの名演だ。

“サイレントマジョリティー”に“春夏秋冬”、そして“世界に一つだけの花”と、新旧の名曲が飛び出すパフォーマンスは凄かったけれど、それだけではない。さんまが「あれやって、これやって」とリクエストしまくるので、わちゃわちゃとしたムードの中から国民的メロディが次々に飛び出す音楽番組なのである。豪華絢爛なセットも、派手な煽り文句もなく、ひとしきり笑って放送が終わったときに「これってすごいよね?」と気づかされる感じ。これが、明石家さんまの歌番組だ。第2回も心待ちにしたい。あ、ちなみに今回の優勝は、紅組でした。ピコ太郎のせいらしいです。(小池宏和)
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