ジミ・ヘンドリックスに「お前、ユダヤ人? だったらピンク・フロイドのマネージャーになれ」と言われ、初心者にもかかわらずそのまま引き受けたというエピソードだけでも、ロック・ファンなら絶対に気になるはず。
アリス・クーパーと人生をともにしたマネージャーにして、スーパー・シェフの立役者でもある伝説のプロデューサー、シェップ・ゴードンのドキュメンタリー映画『スーパーメンチ-時代をプロデュースした男!-』が現在、全国順次公開中。http://www.supermensch.jp/
ジャニス・ジョプリンとたまたま同じホテルに泊まっていたことから業界人とつながり、そのユニークなアイディアと情熱で、次々と伝説(アリス・クーパーの奇抜なステージ・パフォーマンスやアルバムのアートワークを筆頭になど)を作ってきたシェップ。
マイケル・ダグラスやスタローンといったハリウッド・スターや、スティーヴン・タイラー、ロン・ウッド、ウィリー・
ネルソンらミュージシャンが次々と登場し、嬉しそうに彼のぶっとんだ逸話や魅力を語る様子が微笑ましかったり驚かされたり。
セレブたちの頼れる相談役として皆に愛されている様子が伝わってくるが、ハリウッド・ヴァンパイアーズも彼がいてこそ2015年に結成されたんだろうなあ。
ジム・モリスンやジョン・レノンがいた当時のエピソードも出てきて感慨深かった。
とはいえ、ダライ・ラマにご飯を作るエピソードには、さすがにびっくり!
映画『ウェインズ・ワールド』でお馴染みマイク・マイヤーズの初監督作品で、独自のユーモアはもちろんのこと、深いリスペクトでもって描かれている。
『ウェインズ・ワールド』での、車で盛り上がる〝ボヘミアン・ラプソディ〟や、「〝天国への階段〟禁止」とともに有名なあの名シーン、アリス・クーパーの楽屋を訪れたふたりが跪づいて拝む、あのエピソードも出てきますよ~。
ビートルズを筆頭に、この秋観るべきロック映画はいっぱいあるけど、一風変わったこのドキュメンタリーもおすすめ!(井上貴子)