健全なガンズ、というと言語矛盾のようだが、今、本当にバンドがいい状態にあることが伝わってくる素晴らしいライヴだった。
ほぼ予定時刻通り開演!ということにまず驚き、
アクセル・ローズとスラッシュとダフ・マッケイガンが並んでいる……!!!という感動的な事実を目の辺りにしてどきどきし、
しかしそうした、「いい意味での事件」性についてしみじみ考える間もなく、最高のロックンロール・ソングが怒涛のように投下され、楽曲の世界感にどんどん引き込まれていった。
代表曲はいっぱいやったけど、ベストヒット・ライヴというコンセプトに縛られておらず、メンバーがのびのびと楽しそうに演奏しているのがとてもよかったし、アクセルのハイトーン・ヴォイスはとてもよく響いていた。
ダフ・マッケイガンが歌うコーナー、22日神戸はザ・ダムドの“ニュー・ローズ”を披露したそうだが、横浜は大阪と同じミスフィッツ“アティテュード”。導入にジョニー・サンダースの“ユー・キャント・プット・ユア・アームズ・アラウンド・ア・メモリー”も歌ってくれたのが、嬉しかった! (昨年6月にはピストルズのスティーヴ・ジョーンズとデュエットしていた http://www.youtube.com/watch?v=nmhGyxGo5eY)
ギター・インストによる“ゴッド・ファーザーのテーマ”やピンク・フロイド“ウィッシュ・ユー・アー・ヒア”もやっぱり最高だったが、こうした曲を聴きながら、ガンズ・アンド・ローゼズのロックンロール・バンドとしての得意性を、改めて感じさせられた。
00年代以降、標準装備であるミクスチャー感覚を、ガンズは90年代にロックンロールでやっていた、
ということだ。
パンクはもちろん、ボブ・ディラン(“天国の扉”)も、ピンク・フロイドも、ウィングス(“死ぬのは奴らだ”)も、一緒にやれるロックンロール・バンドはまずないし、その節操のない貪欲さ、何があっても壊れなかった生命力こそ、ガンズが最高のロックンロール・バンドである理由のひとつだろう。
26曲、2時間40分! まだ強い余韻が残っていて、やっぱりもう1回観たい!と思わせる。
今回の貴重なガンズ来日は、ファン以外の人にもぜひ観てほしい。
残すは、さいたまスーパーアリーナ2デイズ。
(井上貴子)
ガンズ、最高! アクセル、スラッシュ、ダフ、24年ぶりの揃い踏み来日を祝う@横浜アリーナ
2017.01.26 14:27